団長と兎.3

100. ページ12

団員「ぐぁぁ……っ……団長、どうして……！」

突然血を流して倒れ込んだ団員。今日、一番初めの犠牲者だ。

神威「ん？俺はここに居るんだけ……」

パチッ。
━━目が合ったのは、

神威「━━ど？」

神威※「(ニコ)」

―――なんだ、こいつ。

神威※「殺しちゃうぞ」

神威「え」

━━俺と全く同じ容姿に同じ声のイキモノ。

阿伏兎「えぇぇぇえ！？……団長が二人……？アホ毛も完璧だしどっちがどっちだか皆目検討がつかねェ！」

神威「お前俺の事ずっとコレで判断してたの？初耳なんだけど。」

神威※「初耳なんだけど。」

神威「真似しないでよ」

神威※「真似しないでよ」

何こいつうっざ！！

―――少なくとも俺はこんなムカつく奴ではないはず。早く気づけよ阿伏兎。

……それにしても、ここまでくるともはや芸術。
自分の顔とかそんなのはあまり見たことはないが、なるほど、いい男だ。

神威※「殺しちゃうぞ」

神威「……ちょっと黙ろうか。」

神威※「黙ろうか」

それに、表情や、聞いたセリフをそのまま全く同じ声で発することができる所をみると、この星の連中はマジで本当に只者じゃない。

阿伏兎「団長！！嬢ちゃんが！！」

神威「……！！」

―――ザザッ……

━「""ごめん、ちょっと手こずった。……っ足でまといにはなりたくないから……私を置いて急いで船出して……""」━

101.→←99.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す