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A「……お母さんと?」
神威「ウン。……三つ編みも一緒。」
少し寂しそうな声がして。
A「……そう。……きっと、貴方のお母さんは綺麗で強いひとなのね。」
神威「…どうして?」
A「……神威がそうだから。」
彼の様子からして、何となく、察した。
多分、喧嘩中か、会えないぐらい遠くにいるのか……この世界にはもう、生きていないのか。
神威「……俺は、」
A「……」
神威「……強くなんかないよ」
いつもの神威とは打って代わり、消えてしまいそうなぐらい悲しそうな彼に、どうしたらいいのか途端に、分からなくなった。
彼は、きっと心に何か重たくて冷たい、何かを背負っているのだろう。
神威「俺は母さんを、助けられなかった。」
A「……」
神威「俺が弱いせいで、母さんは死んだ。」
A「……っ!!」
━━━「お前の両親が死んだのは、A、お前が弱かったせいだ。俺達のせいじゃない。」━━━
昔に聞いたそんな声が、彼の言葉に重なって、聞こえてきた気がした。
それは嫌になるほど今でも心に焼き付いていて。
………うるさい、うるさい、うるさい。
A「……うるさいのよ、」
何度も何度も、人の心に同じことばっかり吹き込んでこないで。言われなくたって分かってる。
神威「……A?」
A「……ごめん、神威の事じゃないから。」
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みるく(プロフ) - 黒猫さん、はい!!多分だすので頑張ります! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続編待ってます (2018年8月24日 17時) (レス) id: 68a25adb45 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 花音さん>>ありがとうございます!!頑張ります! (2018年8月24日 14時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 最高です!ありがとうございます拝 頑張ってください! (2018年8月24日 13時) (レス) id: 53e88b05a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2018年7月18日 22時