佰弐拾夜 ページ24
―竈門炭治郎視点―
「無事…だったんだなっ!」
『炭治郎くんこそ!』
俺はずっと見たかった人の姿を目の前にして泣きそうになった
だめだ!俺は長男だから人前で泣くなんて…!
何とかこらえるともう1度Aへと向き直る
見る限りどこも新しい傷は増えてなさそうだ
無傷な事に安堵する
『と言う事は、私の鎹烏が間に合ったんですね!』
「えっ、どういう事だ?」
俺と同じ様に安堵したため息をつくと突如そう言い出すAに疑問を持った
『那田蜘蛛山で炭治郎くんと禰豆子ちゃんの事を偶然耳にして…―』
俺の問いかけに伏し目がちにそこまで言うと1度言葉を切り俺と静真さんを交互に見つめ
『慌てて柱である兄様に助けを求めたんです』
「A…ありがとう」
”でも、本当に良かったです!”と付け加えるAになんとなく状況を察した俺はお礼を言う
『いえ、炭治郎くんは嘘をつくような人じゃありません!勿論、禰豆子ちゃんも!』
自信ありげにそう言いのけてくれるAに俺は喜びを感じた
Aが俺を…禰豆子を…
それに再び歓喜余ってしまう
『言ったじゃないですか、私目が良いんですよ?炭治郎くんと禰豆子ちゃんがどれだけ素敵な人間かは把握しているつもりですよ?』
そう言い切ると最後に笑顔を向けてくれるA
その笑顔に再び俺はあの夜の時の感覚を思い出してしまう
こ、こんな時に俺は何て事考えてるんだ…!
顔に集まろうとする熱を遮ろうと首を必死に振った
「おーい、僕いるからね?」
そんな俺の思考を感じ取った様に横から少し冷たい声をした静真さんがいた
「えっ、あっ…すみません…」
気まずくなり俺は思わず謝る
そうだった!今は静真さんがいるんだった!!
なのに俺は何を…!
第1に静真さんはAの…―
『兄様、何だか…怒ってますか…?』
兄…
って…―
「えぇっ!あ、兄?!」
Aから放たれた言葉に俺は病室中に響くくらい大きな声で叫んだ
『えっ…』
「そうだけど?」
そこには俺の言葉に驚きながら不思議そうに見つめてくるAと当然の様に返事を返してくる静真さんがいた
「て言うか、さっきからAそう呼んでますよ?」
『兄様、説明してなかったんですか?』
”だって、説明いる?”とAの言葉に返事を返す静真さん
雰囲気は似ていると思っていた…
と言うか、よく見れば容姿も似ているじゃないか!!
改めて似ている2人を見比べ関係性を勘ぐっていた俺は恥ずかしくなってしまった
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エラ(プロフ) - 栞乃さん» 誤字指摘ありがとうございます!確認してたのに気づいてませんでした笑 (2021年1月9日 22時) (レス) id: 2ccec68a2d (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 玖拾捌夜のヒノカミ神楽「演舞」ではなくて「円舞」ですよ! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 桜蝶さん» 返事が遅くなり大変申し訳ありません。ありがとうございます。そうなんですね!3つも執筆しているなんてすごいですね!私は1つのシリーズでも大変だと思ってるのに…笑 支障がなければで大丈夫ですよ! (2020年6月26日 14時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶 - とても面白いですね! 更新、頑張ってくださいね? 鬼滅の刃にハマっていて私も鬼滅の刃の小説を3つ書いてます。←良かったら教えますか? (2020年6月1日 20時) (レス) id: f12d7ff414 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 有栖さん» メッセージありがとうございます!私も早く絡ませたいです!道のりまだまだ長いですが…笑 (2020年5月21日 21時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月23日 20時