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捌拾玖夜 ページ42

―我妻善逸視点―

あれから禰豆子ちゃんを探しに色々と山中を歩き回ったが一向に見つからなかった

と言うか、探し回っているうちに迷ってしまっただの

そんな俺の目の前に蜘蛛の姿をした鬼が現れた

正直言ってむちゃくちゃ気持ち悪かった!!
臭いも鼻を突く臭いでものすごく不愉快だったし!

おまけに俺弱いのに、そいつと戦う羽目にまでなったし!
毒は喰らったし!

でも、じいちゃんとの特訓していた時のことを思い出していた…

明らかにあれだった思い出もあったけど…

そのおかげか、何とか倒す事ができた

けど…―

俺の体も限界だった…

仰向けに倒れ込んだ俺は動けなかった

もう、手も足の感覚もなくて力も入らなくて動かせないでいた

夢を見るんだ…

幸せな夢なんだ

俺は強くて…―
誰よりも強くて

弱い人や、困っている人を助けてあげられる、いつでも

じいちゃんの教えてくれた事…
俺にかけてくれた時間は、無駄じゃないんだ

じいちゃんのおかげで強くなった俺が、たくさん人の役に立つ…日の…

そして、俺の隣には…いつも…Aちゃんが笑顔で…立って…いる…

けど…もう…だめだ…

あ…月…満月…

こんなにも大きくて…近くに…見える…

Aちゃんも…見てる…のかな…

最後に…もう一度だけ…会いたかったな…

会って…

「ちゅんっ!」
「ちゅんたろう…」

耳元で泣き声がして目だけ向けるとそこにはチュン太郎の姿があった

「ごめんな…」
「ちゅぅ…ちゅっ…ちゅんっ!」

俺の謝罪にチュン太郎は涙を流し飛び去ってしまった

それを見送った後俺は静かに目を閉じた…―

その時だった

“諦めるな!”

じいちゃんの声が聞こえてきた気がした

その”気”に俺は従うように呼吸を整えた

諦めるな…呼吸を使って少しでも毒の巡りを遅らせる

痛くても、苦しくても、楽な方へ逃げるな…!
じいちゃんにぶったたかれる…!

そうだ…炭治郎にも怒られるぞ…

それに…Aちゃんにも心配されるぞ…


そして俺はそのまま目を閉じた…

玖拾夜→←捌拾捌夜



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エラ(プロフ) - 時望さん» お返事遅くなって大変申し訳ありません!そう言っていただけると凄く励みになります!お互い体調に気を付けて行きましょう! (2020年5月7日 23時) (レス) id: 245f908d63 (このIDを非表示/違反報告)
時望 - すごく面白いです!お体に気をつけて過ごしてください!応援してます (2020年4月29日 14時) (レス) id: d5d3062330 (このIDを非表示/違反報告)
むいむい - この作品、とっても面白いです(*´-`)ウィルスに気を付けて、更新頑張ってください(*’ー’*)ノ応援してます。 (2020年4月24日 18時) (レス) id: f62f0a3a7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月14日 22時

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