加茂さん家の天与呪縛ちゃん その3

佰肆 ページ12

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やっと会いたくもない待ち人が現れ、私はソイツを睨みながら口を開く。







『感動の再会?

私は一生会いたくなかったけどな。』


「それは堪忍なぁ

君が会いたなくても俺は会いたかったんやから。」


『ﾁｯ』







見下ろしてくる視線から逸らして頬杖をつくと、奴は私の隣に腰を下ろす。

…私の隣になんで座るかな、こいつ

嫌がらせか、100％嫌がらせだわ。







『…で?私に何の用だよ

呪具を返せか、単に嫌がらせか…』


「何や、俺がそんな事の為に呼んだんと思ってん?」







「ちゃうで〜」とカラカラ笑う奴に、私は思わずその顔を凝視する。







「五条と禪院は犬猿の仲

それは同じ御三家のAちゃんならよお知っとることやな。」







…いきなり何の話だ?

私の警戒心は増すばかりで、徐々に険しい顔つきになるがの嫌でも分かる。








「で、加茂が中立の立場…まぁ中立に近い立ち位置におる

そんな加茂の連中は五条と禪院、どっちについた方がええかっちゅうゆーたら五条やんな

単純な話、六眼と無下限術式の抱き合わせ、五条の坊がおるからや。」







やから加茂の連中は君がちぃちゃい頃、許嫁として五条の坊と君を会わせた



その言葉に、私は目を剥く







「なんでそんなこと知っとんって顔やな

簡単や、御三家で数少ない食事会



そこに俺もいたっちゅー話や

甚爾くんがおったのに俺がおらんわけないやろ。」








…完全にあの日のことを言っている






甚爾と、出会った、あの日のことを









『…さっきから話が見えないんだけど。』







溢れるナニかを必死に抑え、目の前のクズにそう言う。









「あぁごめんな?


じゃあ話戻すで

けど許嫁の話は失敗した、君が五条からの誘いを一切無視して好き勝手しよったからや。




折角の厄介払いができんくなって加茂は更に考えた

どうしたら呪力もなければ自分らの思い通りにいかない小娘を、加茂の為に役立てるか








・







次はな?こっちに来たで

縁談の話が。」







…は?









「俺はいずれ当主になるし、考え方は今の五条の坊と全然ちゃう

それで禪院の相伝の術式を持つ子を産めば万々歳で加茂家としての汚点も返済や。





君、いいように使われとるなぁ?

自分は加茂の人間と縁切ったって勝手言いよるけど。」








状況が理解できない

頭がぐらぐらする


…なんで、私は────

佰伍→←佰参※最新話のネタバラシ注意(2021.02.26)

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