加茂さん家の天与呪縛ちゃん その3

玖拾陸 ページ4

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2回表の最初のバッターは東堂くんだったのだが…







ﾒｷｮｯ!!!!







「とっ 東堂!!

しっかりしろ!!」







真希のピッチングが東堂くんの顔面にクリティカルヒットし、東堂くん気絶。

アレは絶対にワザとである。


おまけに







「ナイスピッチー」


「ナイッピー」


「ナイッピー」


「ナイッピー」


「真希さんナイッピー」






「東堂…っ

お前…!!」






この、真希に対するナイッピーコール

東堂くんが如何に嫌われているかが分かる瞬間だ。



たははと苦笑いした瞬間、スマホの着信音が耳に入る。

…流石に3日連続同じ番号なわけ…








『…あったわ、同じ番号。』








スマホの画面に映る番号は、まさに3日前からかかってきている番号。

…コレは流石に出た方が良さそうだな。




そう思いながら席を立ち、皆から少し離れた場所へと移動し







ﾋﾟｯ









『はい、どちら様ですか。』









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・









〈おっ、Aちゃんやっと出たわぁ。

全然出てくれへんから電話間違ぉとんのかって心配しとったんで?〉







10年振りに聞いた声に、私は目を瞠り、そしてすぐ無表情へと戻す。







『…どっからケー番…つっても“御三家”お得意の情報収集か

テメェも暇人だな。』


〈いややなぁ、そんな暇なわけないやん

でもAちゃんのことやったらこんなん些細なことやで?〉


『人の個人情報勝手に探んじゃねぇよ

テメェの脳ミソはまだ大正時代かっつーの。』







先程までの楽しさはどこかへ行き、ただピリついた空気が自分の周りを支配する。

電話越しの奴が放ってるわけがなく、間違いなく自分から放つ殺気だ。








〈ぎょうさん話したい事あんねんけどな、電話じゃ足らんやろ??

───せやから、今度こっちに遊びに来てや

あ、迎えは勿論そっちに行かせるで?〉


『誰がテメェの為に行くかよ。』


〈そんなこと言っていいん?





真希ちゃんと真依ちゃん、こっちに戻さしてもええんよ?〉


『…』









誰かしらに攻撃すれば私が動く…って思ってんだろう

全くその通り過ぎて自分で嗤ってしまう。








『…日時は。』


〈できそうな日程こっちで調整して、また決まったら連絡するわ。

──せやから、少なくともその期間の間は番号消さんといてな♡〉


『ハートつけんじゃねぇ、気色悪ぃ。』








舌打ちしたいのを我慢しながら、私は相手のやり口に了承した。

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