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No side
ユウもジャックも、キビキビと店内を駆け回る。
2人の働きも中々良いものだが、それ以上の働きを彼女はこなしていた。
『お客様、お待たせ致しました。
こちらアールグレイでございます。』
『お待たせ致しました。
ご注文をお伺い致します。』
『スミマセン、コレ9番テーブルまでお願いします。
あ、さっき7番テーブルのお客様が注文したそうだったから、どなたかいける方お願いできますか?』
姿勢も、歩き方も、紳士ならではの雰囲気を醸し出だしている。
馴れている、といった様子だ。
それもそのはず。何せ彼女─Aは、前世でも今世でも飲食店のバイトの経験を持っている。
前世は居酒屋の方が多かったが、今世ではこういった落ち着いた場所でもバイトをしていた。
その働きぶりは他の店員やイソギンチャクだけでなく、リーチ兄弟も感心する程だった。
ジェイドに関しては本当に感心しているらしい。
コツコツと靴を鳴らしながら、彼女に近づく。
「見事な捌きですね。」
『…アンタ暇人?
俺今忙しいんですけど。』
「そんなに冷たくしないで下さい。
悲しくなってしまいます。」
そうとは思わせないくらいに、ニコニコとしているジェイド。
彼のその顔に、Aはげんなりとした表情を見せた。
『…俺、アンタみたいな人マジで苦手だ。』
突然の発言に、ジェイドは眉を顰める。
「…何故でしょう?」
『アンタのその笑顔、普通なら人当たりがいいって言われるかもだけど…
正直何考えてるか分かんない。』
「!」
『ぶっちゃけタレ目の方がよっぽど人間らしいよ。
それに比べ、アンタはマジで底が見えない。
アズールよりも、タレ目よりも、俺はアンタが怖いよ。』
ジェイドは目を見開き、これは驚いたと目の前にいる彼女を見る。
初対面ではいつも最初に怖れられるのはフロイドだ。
気分で左右されるその性格に、周りはビクつくのだが…
この少女は、ジェイド・リーチという人魚の本質を、ほんの少しだけ見抜いている。
そのことに、彼はニヤリと笑う。
…ああ、彼は僕に“楽しみ”をくれる存在だ、と。
「僕は貴方のことが好ましいと思っていますよ。」
『…あ、そ。』
そうこうしているうちに、アズールがラウンジに顔を出し、ユウと話している。
それに気付いた2人は彼らの下へと足を運んだのだった。
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カリナ - 3_48でクスクス笑うタレ目とかかれてありますがつり目では無いでしょうか? (2021年8月30日 17時) (レス) id: 5c46ccd9a8 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - カナさん» ハッ!本当ですね、ダメです女バレしちゃう……!!カナ様、ご指摘ありがとうございます。訂正しました! (2020年12月26日 12時) (レス) id: 30c3420c66 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 3―10でおもいっきり私って言ってるけどいいんですか? (2020年12月26日 12時) (レス) id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - この作品をお待ちしている皆さん、ありがとうございます!そしてパスワードの状態が長くなり。申し訳ありません(汗)今書き途中でパスワードをさせて頂いています。もう少しで更新致しますので、ご理解とご協力よろしくお願い致します。 (2020年12月5日 9時) (レス) id: 30c3420c66 (このIDを非表示/違反報告)
ただの腐女子(プロフ) - 続きが読みたいです。 (2020年12月5日 6時) (レス) id: fe7c6e1aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KK | 作成日時:2020年11月30日 12時