伍拾漆 ページ9
・
甚爾と戦う時、絶対にしてはいけないことが1つある。
それは、一瞬でも防御態勢に入ることだ
何故ならそれが一瞬の隙となり、あっという間に致命傷を負う
攻撃重視で防ぎが甘く傷ができたとしても、それが致命傷を避ける唯一の手段なのだから。
＿＿＿ｶﾞｷﾝｯ!!!
「まぁ多少は動けるようになったか?」
『何、凄い師匠っぽいこと言うじゃん。』
そんな他愛もない会話を交えつつ、私は攻撃の手をやめない。
相手の刃が間合いに入らないよう、鏖咒の刃だけでなく柄も利用して攻撃を繰り出す。
これ以上の打ち合いは却ってカウンターでやられる
そう思った私は後方へ大きく跳んで後退を図る
が、甚爾がそう簡単に距離を取らせてくれるはずがない。
予想通り、甚爾は後退する私に接近して一瞬でできた隙を突きに来た。
着地した瞬間に斬り込まれる。
相手のスピードを考えて、本当ならここで防ぎの一手を取りたいが、そんなことはできない
なら
「ｯ、へぇ。」
着地と同時に、相手がこちらに追いつく前に接近し、思い切り鏖咒を下から上へと薙ぐ
それにより、甚爾は斬り込むことができず防御の一手を取った。
攻撃は防がれたが、これでいい
相手に攻めさせない
常に相手が攻め切れない状況を作れ。
「なんだ、五条の坊やそこの呪霊操術の奴より全然動けるじゃねぇか
呪術師最強も名が折れたもんだ。」
『そりゃ、私はアンタに散々仕込まれたんだ
これぐらい動けないと話になんないでしょ?』
「ククッ、それもそうだな。」
多少の傷は負ってしまったけど、まだ許容範囲
最初、五条を庇ってできた傷も神経が麻痺したのか、全然痛くない
…いや、アドレナリンがドバドバ出てるのかもしれない。
高揚感が高まり、無意識に上がる口角
今 自分は生きているんだと、戦っている最中なのにそう思ってしまう。
殺し合いなのにもかかわらず、あの頃と重ねて戦っているのかもしれない
屋敷を脱走して
競馬に行って甚爾のハズれ具合にゲラゲラと笑って
レストランで美味しいご飯食べて
競馬での八つ当たりだと言わんばかりの鬼のような特訓をして───
私はハッと気づいてしまった
・
・
私は、この人を殺すことができない
一生殺せない、と
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Aya - めっちゃ面白いです!!続き楽しみにしてます!! (2022年4月16日 22時) (
レス) @page36 id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
菜奈(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年1月25日 0時) (レス) @page36 id: 51a9e342b5 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - ツバメさん» ありがとうございます!それは最初考えていましたが、やはり原作を改変したくない…という思いもありましたので、このまま行かせて頂きます、すみません…(汗)つきましてはifストーリーでツバメ様の案を書かせて頂きますので、これからもどうぞよろしくお願いします! (2021年6月13日 10時) (レス) id: 1e9bbdba10 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - 識さん» あああ、勿体ないお言葉ありがとうございます!! (2021年6月13日 10時) (レス) id: 1e9bbdba10 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - もっと見たいです更新期待してます 出来れば甚爾を渋谷編の生き返りでは無く五条との戦いの後も生存＋主人公と一緒が良いです (2021年6月12日 23時) (レス) id: 020ea1b549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KK
| 作成日時：2021年3月11日 9時
