加茂さん家の天与呪縛ちゃん その0＿2

漆拾弐 ページ25

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1年というのはアッという間だというのを、この頃実感させられる

私達1年ズは2年へと進級し、五条達も3年生となった。


進級したのは学年だけじゃない

五条と傑さんは特級へ

健ちゃんと雄ちゃんも2級へと等級が上がり

私はとうとう、1級へ上がる為の推薦が本格的になされた。

推薦者は、夜蛾センと冥ちゃんだと聞いている。



そんな私達も任務の量が増え、階級が上がった健ちゃんと雄ちゃんも単独任務が任せられるようになり

以前ほど3人一緒に任務へ向かう回数が減ってしまった

成長したと言えば喜ばしいが、…少し寂しい気持ちもあったり。



けど、私達の間に変化はあまりなかったと言える

授業は3人で出て、ご飯も3人で食べて

体術の特訓もパシリをかけて競争し←

休日が合えば3人で街中へと遊びに行く。

どの学年の中でも割と仲がいい方だと自分で思っていたし、それは2人も同じ考えだった。



変化があったのは、むしろ五条達3年生だと思う。



五条は甚爾との戦いで「本当の最強」と成り

1人での任務しかなくなったと聞いている。

傑さんも同じ特級だが、「最強」ではなくなり

遠目で見ている時、2人の間に何か溝があるかのような感覚を覚えるようになった。



…それに加え、傑さんが不安定だと思うようにもなった

目の下の隈もそうだし、最近は特に痩せたと思う

ご飯食べれてるのかな…って心配になることも多い。

何か、何かできないかと思ったりするけど、多分私じゃ何もできない


一番近しい五条でないと、難しいだろう



頭でそれは分かっていたけど、納得できなくて悔しいと思った。






そんな8月のある日

“人生の中で1番の最悪”となる任務前日のこと。





それは、雄ちゃんと2人で駄弁っていた途中

喉が渇いたからと2人で肩を並べて廊下を歩いていた時だ。









「…あ、あれは…」


『?…傑さん?』








顔を俯かせた状態で椅子に腰かけている傑さんを見つけ、ほんの少し眉間に皺を寄せてしまったが

バレる前に下へと戻す。

するとタイミングよく雄ちゃんが傑さんの名前を呼んだ。







「灰原にA…」


「お疲れ様です!」


『傑さん、そこ暑くないですか?

今日 猛暑日らしいですよ。』


「いや?日陰だから他の場所より涼しいよ

2人とも何か飲むか?」


「えぇ!?悪いですよ

コーラで!!!」


『悪いって言った意味。』


「フフッ…」

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