1．幽霊の兄ちゃんと大学生の私 (ページ1)

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Prologue ページ1

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私には2人の兄がいる。

1人は長野県警で「所轄のコウメイ刑事」なんて呼ばれるくらい頭のいい人。
もう1人は物心つく前の出来事、両親の死をきっかけに疎遠となってしまった人。

“お兄ちゃん”は兄であったけど、幼い私をほぼ男1人で育ててくれたから親も同然で
“兄ちゃん”は疎遠にはなったけど、親戚の家にはよく遊びに行っていたので、疎遠なのが嘘みたいに仲良くしていた。

けれど“兄ちゃん”は5年ほど前に音信不通となり、3年前には亡くなった。死因は未だ分からないまま。

悲しかった、苦しかった。“お兄ちゃん”にどうしてと当たり散らした。
それでも、お兄ちゃんが教えてくれることはなかった。

あれから月日は経ち、私ももう大学1年生。
必死に猛勉強して、かの有名な東都大学に合格し、私は上京した。
初めての1人暮らしは大変だったけど、ここ最近は慣れてきて。
ご近所さんは良い人達だし、大学でできた友達とも仲が良いし、バイト先の人は可愛いしで何とかやっていけている。“日本のヨハネスブルグ”なんて言われるくらいに物騒な町だけど。

そのせいか、長野で頑張っている“お兄ちゃん”とのメールのやり取りは習慣化されてしまった。
今日1日元気に過ごせたか、何か困ったことはないか、事件に巻き込まれていないかetc.
私はもう大学生なんだから大丈夫だと言ったら、まだ大学生だろうと“お兄ちゃん”に言いくるめられる日々。兄妹とはいえ年が離れすぎているせいか、“お兄ちゃん”は過保護である。

まぁ、それらは片隅に置いて。

結論から言えば、事件が多い町だけど私は平和に過ごせていた────

「………兄ちゃん…

景光兄ちゃん！？」

「…………………………………A？」

そう、この時までは。

・・・・・・・・・・・・・・

諸伏 A

諸伏高明、景光の末の妹

19歳、東都大学文学部1年生

身長：162㎝

誕生日：4月6日

目は兄2人同様猫目。結論→皆似てる。どちらかと言えば景光似

髪の長さはミディアムで外ハネ

陽気な性格。アホ。でも勘が鋭い時がある

原作では諸伏が7歳の時に諸伏夫妻が殺害された設定ですが、10歳の時に殺害されたという設定で話を進めます。