まえあしの恋する彼女達３

※ ページ46

「･･･内緒。」


「何それ？気になんだけど。」


「女の子の話しやから裕太には言われへんのー。」


「うわっ、闇だよ、闇っ。」


最近ハマってんねんな、この、闇かヤミー。
ただ言いたいだけってのはあんねんけど。


「ははっ。女の子の闇なんて知ってもいい事ないから知らん方が幸せやで？」


やっぱ女って怖ーっ言いながら2人でくっ付いてリビングへトコトコ歩く。


「･･･Aの闇は？」


「私って意外と空っぽで掘り下げても何も出ないって事がよくわかったわ。」


ヤミーやろ？って言ったらほっとした顔で頭撫でてくれる裕太を見て癒される。


「Aのいい所は嘘付けなくてさっぱりしてて豪快、単純、って所だもんねー。」


「･･･なんかそれ男みたいやな。」


豪快って･･･。まあ当たってるわ。


そしたら不意にソファに押し倒される。


「･･･それなのにすんごい美人で色気あるからギャップにやられんじゃん？」


「･･･私みたいなのタイプ？」


「タイプとかじゃないだろ？Aがいいんだから。」


言いながらチュってキスしてくれる。


こんな風に私をいつも言葉と行動で愛してくれる裕太といると安心して満たされる。
でも･･･


また顔傾けて近付いて来た唇をふにって指で摘んだ。


唇摘まれたまんま眉間にしわ寄せてる裕太に


「･･･裕太やって闇くらいあるやろ？」


清廉潔白な男の人なんてこの世にいてへんはず。


ぱって指を離したら


「オレはヤミーだもんー。」


なんて言いながらんーって、ほっぺた寄せて来て


可愛さアピールで流そうとしてる裕太のほっぺたをまた両手で挟む。

ピヨピヨとアヒル口の裕太に笑いを堪えながら


「･･･いいで？私と出会う前の話しならさらっと聞いたげる。」


ちょっと悪い裕太に興味ある。


覆い被さってた体を反転してほっぺた挟んでた手を離された。あー、裕太を見下ろしてると今度は私がキスしたくなんねんて。


もう答えなんかどうでも良くなって裕太の下唇親指で弄ぶ。キスしようとしたら


「ってかオレさ。マジでどうでもいい子とキスしたりする事の方がストレスだから。」


自分の闇について真面目に考えてた裕太に笑えちゃった。

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