まえあしの恋する彼女達３

闇orヤミー？！ 【玉ちゃん編】 ページ44

「最近どう？玉ちゃんと。」


ふわふわなマシュマロみたいやな、なんてAっちに見とれてたら不意に聞かれた。


「うん。変わらず上手くいってる。Aっちは？」


「最近ね？みっくんから愛されてるなって、すごく実感出来るようになってるんだあ。」


「へぇ！あの北山さんが？どんな愛情表現すんの？」

超興味あんねんけど！！


「･･･それは内緒。」「内緒かいっ。」


なんや、おもんな。


「･･･下系ちゃうん？」


･･････それもあるけどねぇって顔赤らめてる。
わかりやすっ。


「いいやん、いいやん！
･･･じゃあ最近は女の影は見えへん訳ね？」


「それが、ぱったりと。
あの白状させた日から全然そんな雰囲気ないの。私が気付いてないだけかもしれないけどね。」


なんて言ってるけど
きっとほんとに何もないんちゃうかな？
だって、Aっちの幸せそうな顔見てたらわかる。


「でも、浮気されてまで一緒にいたいって思える程の相手ってすごいよね？」


そしたら俯き加減で微笑んでるAっちが急に儚げに見えた。


「･･････みっくんには恩があるから。」


「･･･恩？」


「どうしようもなく叶わない恋をしてた私の事救ってくれたの。」


「北山さんが？」


うんって。頷いてるAっちが見てる先は北山さんじゃない。



「･･･どんな人やったん？」


「会社の先輩でね？ずっと好きだったんだけど、彼女いて。別れるの待ってたら別れる所か結婚しちゃって撃沈だよ。」


面白く言おうとしてるみたいだけど全然顔笑ってへん。


「･･･もしかして、まだその人の事？」


ううん？って首振ってるけど･･･


「今はみっくんがいるから。」


自分に言い聞かせるみたいに呟くAっちの知らない一面見ちゃったわ。


「･･･闇やね。」


「あははっ！ヤミーだよっ。」


なんて誤魔化してあげたけど


そりゃそうやな。
あんなに北山さん一筋に見えてるAっちだって過去には色々あって当たり前やし。


「その人とはプラトニックやねやろ？」


体の関係なしに忘れられへん人ってすごく美化されそうやもんなあ。


「･･････。」


「･･･え？ちゃうの？？」


「･･･内緒。」


いやいや、内緒言うてる時点でプラトニックちゃうやんっ！


「･･･衝撃やな。可愛い顔してやる事ブラックやわ。」


「･･･一度だけでいいからって縋っちゃった･･･。」


また悲しげに笑うAっちに胸が締め付けられた。

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