藤ヶ谷side ページ22
ようやくAちゃんの気持ちがオレに向いてくれた。
今まで気持ち抑えて接するのどれだけ大変だったかわかんない。
このままマジで仲のいい友達に成り下がりそうでヤバイなって危機感持ちながらいい距離を保てたと思う。
でもやっとオレの気持ち届いたんだ。
オレ達の主演映画の完成披露試写会で撮られた写真を見て思わず口を手で覆ってしまった。
･･･なんだ？これ。
オレのAちゃん見る目に好きがダダ漏れでこんなオレの顔が公共に出回ってるのが恥ずかし過ぎる･･･。
「おまえらってそうなの？」
！！びっくりしたっ。
気付けばオレの頭上からその写真を見た北山が聞いて来た。
「な、なんで？」
焦ってどもったしっ。
「･･･どっからどー見ても？」
恥ずっ。。。消えたい･･･。
フフンって得意気に笑って
「･･･あいつ、すんげえ見掛け倒しだろ？」
なんだ？！それ？！
兄貴ヅラしやがってムカつくんだけど。
「･･･何それ？」
でもすんげー気になる。
「あれ？まだ？
そのうちわかるんじゃない？」
鼻歌歌いながら去っていく北山に若干の殺意を覚えながら
見掛け倒し？
実は変な趣味あるとか？
実は処女とか？(そんなわけない)
実は自宅がゴミ屋敷とか？！
･･･ダメだ。考えてたらAちゃんのイメージがおかしくなるだろ。
今日はこの後オッケー貰ってから初めて２人で会うんだ。
北山の言葉を若干気にしながらAちゃんの家へ。
「いらっしゃい。」
安定の可愛さで迎えてくれたAちゃんにホッとしながら部屋へ通される。
よし。部屋は片付いてるな。
「飲も？ね？」
嬉しそうにニコニコとワインとグラスを持って来てる。
ソファーに寄り添って座るとフワっていい香り･･･
「あれ？香水変えた？」
前は甘いムスク系だったのに今はシトラス系？
「わかる？太ちゃんと付き合うから心機一転したの。」
ちょっと目を逸らしてワインをグラスに注ぎだした。
あの香りで北山の事願掛けでもしてたのかもって直感した。
「･･･オレの好きな香りだわ。」
オレの為に選んでくれたんだろ？
Aちゃんの香りに引き寄せられるように首筋にキスした。
途端バッて離れてキスした所に手を当てて真っ赤になってる。
「かわい･･･。」
「･･･この世で太ちゃんに落ちない女子はいないんだろうね。」
よく言うわ。
どんだけ口説いても落ちてくんなかった癖に。
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作者名：Haru
| 作成日時：2018年2月25日 21時
