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太ちゃんにそう言われた瞬間にいろんな思いが頭を駆け巡った。
ヒロミツと出会って好きになった事。
彼女作る気ないってあっさり断られた事。
そしたら太ちゃんが私がヒロミツにアピールしてるみたいに私にアピールしてきたんだよね。
でもすぐ私の相談係になってくれて
色々と支えてくれた。
ヒロミツと付き合えるようになった時は本当に信じられないくらい嬉しくて。ドキドキして。
ヒロミツとうまく行ってない時はなぜかいつも太ちゃんがいてくれた。
･･･別れてからは太ちゃんとも疎遠になったけど。
私が健人と付き合ってるって知ったらすぐに心配して来てくれたり。
その時まだ私の事想ってくれてたってびっくりしたんだよ。
その気持ちが嬉しくて応えようって思ってた矢先にヒロミツと再開して。
こんなどうしようもなくヒロミツしかない私をまだ待ってるって言ってくれたの。
そして今。
出会ってから６年。
性懲りもなくまだ私の事を彼女にしたいって言ってくれる太ちゃんが愛しくて堪らなくなった。
こんな表舞台でこんな大切な事さらっと言い過ぎでしょ？ってびっくりしたけど。
映画の完成披露試写会を無事迎える事が出来て気分が高揚してたのかもしれない。
オッケーの意味で
「私も太ちゃんの事ホントの彼氏だと思って演じてたよ。」
って太ちゃんの耳元で囁いたら驚いたようにパって、私の顔を見た。
それから心底嬉しそうに。でもはにかんで私を見つめてきた太ちゃんに、私も同じように笑顔で返した。
その後、２人で微笑んで見つめ合った私達２人の写真がまるで本当の恋人同士みたいって絶賛されて、新聞、雑誌、TV各所に話題に上る事となる。
･･･ヒロミツ、見てくれたかな？
私、ようやく新しい恋が出来そうだよ。
きっとヒロミツならなんて事ないように軽く「良かったじゃん。」って言うんだ。
もしかしたら直接言われても素直にありがとうって言えるかもしれない。
そしたら思いっきりあの頃の想いを飲みながらでも喋り倒したい。
ヒロミツを忘れるのに６年もかかったよ？って。
でも、今太ちゃんといて幸せだよって。
そしたらきっとあの頃みたいな優しい顔して黙って聞いてくれるはず。
でももう勘違いしないんだからね？
私は太ちゃんが大好きなんだから。
fin
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作者名：Haru
| 作成日時：2018年2月25日 21時
