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まさかまた会えるなんて･･･。
私の視線に気づいたヒロミツが私の名前を呼ぶ。
「ヒロミツ、この前はごめんなさい。」
私が軽はずみに車に乗ったりしたから。
「別にAのせいじゃねえよ。
ってかおまえは彼氏と大丈夫だったの？」
「うん。それは大丈夫･･･かな？」
別れたなんて言ったらヒロミツ誤解して責任感じちゃうよね。
「なあ、A。付き合ってる人って･･･。」
やっぱり。
私が彼氏に誤解されて気まずいんじゃないかって気にしてくれてる。
こんな所で話しててまた誰かに見られたらアウトだ。
それにもう気持ち抑えられない。
私の心配ばっかしてくれるヒロミツの事、やっぱり諦めたくないの。
「ごめん。ちょっと話したい事ある。」
そう言えば何の迷いもなくヒロミツの部屋に入れてくれた。
付き合ってた時よりも広いリビングに通される。
何気なく見たキッチン回り･･･
彼女いるんだ。
あんな几帳面な整理の仕方、ヒロミツじゃ絶対してないはず。
私といる時はキッチンで食事作って食べるなんて付き合い方してなかった。
･･･家庭的ないい彼女なんだな。
想像するだけでヒロミツが今幸せみたいで泣きそうになる。
素敵な彼女がいるのに
写真撮られた元カノの私を心配して
自分の家になんなく上げてしまうヒロミツの無防備さが私の心をまた傷付ける。
それとも、まだ私可能性あるって事なの？
ありえない希望も捨て切れない。
ヒロミツはとにかく撮られた写真の事で頭いっぱいみたいで部屋に入るなりすぐ
「Aの彼氏ってこの業界の人？」
って。この世界の人なら話し付けようとしてくれてるんだ。私とは何もありませんよってわざわざ。
そんな律儀な所も全然変わってなくてやっぱり好きだって思う。
「うん。でもね、別れたんだ。」
ここまで聞かれたら言うしかない。
「今日彼がいないうちに荷物持って出ようと思って鍵も置いて来た所なの。」
「それって写真が出たせい？」
「違うの。もともと何となく付き合ってただけだから。そろそろ潮時かなって。」
少し驚いて難しい顔してる。
「相手、誰か聞いていい？」
「･･･高橋健人。」
健人の名前出すのは躊躇したけど、ヒロミツには隠せない気がした。
「高橋さんて、結婚、」
「うん。だからもういいの。」
難しい顔してる。
幻滅されちゃったかな？
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作者名：Haru
| 作成日時：2018年2月25日 21時
