片想いの彼～One_sided love～２ (ページ11)

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『彼は？別れたいってもう話した？』

「ヒロミツに会った後言いました。
全然納得してくれなかったんだけど･･･。
さっき電話あって北山くんのせいか？って･･･」

あの駐車場でヒロミツと別れて健人の部屋に入ると不思議なくらいあっさりと別れたいって言えた。

ヒロミツに会った後だもん。
他の男の人と一緒にいるのが違和感しかなかった。

･･･だから

「藤ヶ谷さん？やっぱり私、藤ヶ谷さんとは」『まだ答え出すの早いでしょ？』

こんなにヒロミツの事想ってる私の事まだそんな風に思ってくれるの？

『ちゃんと別れて。オレ待ってるから。』

何も言えない私にわかった？って念を押して電話が切られた。

もうどうしたらいいかわかんないよ。
でも藤ヶ谷さんの気持ちに応える応えないの前に健人だよね。

別れるって伝えた時は強気に嫌だとしか言ってなかった健人も、さっきの電話ではもう諦めてる口調だった。

ボソッとAがずっと思い続けてる奴って北山くんだったんだなって。

私が健人の事ちゃんと見てない事わかってたんだ･･･。

それでも私に優しくしてくれた健人には感謝しかない。

例え奥さんがいたって他の人想ってる私の事すごく大事にしてくれて。
健人に救われた事も何度もあった。

でも。だからこそ。
もう健人とは一緒にいられない。

最初から軽い気持ちで付き合い始めたんだ。

終わりだってなんて事ないはずって、自分に言い聞かす。

・

それから仕事が立て込んでてなかなか行けなかった健人のマンションに行って自分の荷物をキャリーケースに詰め込んだ。

こんな昼過ぎに健人はここにはいないはずだからその隙に。

私の為にわざわざこの部屋まで借りてくれたんだよね。

こんな別れ方、健人が悲しむかなって罪悪感あるけど･･･。

今までありがとうってメモを残して
ドアを閉めて合鍵をポストに入れた。

･･･今から藤ヶ谷さんと会う事になってる。

いつまでも連絡しない私に痺れを切らして昨日電話があったんだ。

明日彼の家に荷物取りに行って終わりにしますって報告したら少し安心したようにじゃあ、その後オレん家来て？って。

迎えに行くから連絡してって言われてるけど･･･

でもまだ迷ってる。

藤ヶ谷さんを傷付けるだけかもしれない。
エントランスで考えてると
眠そうに目を擦りながらエレベーターへ向かう人。

･･･ヒロミツだった。