63 藤ヶ谷side ページ18
大泣きして取り乱してるAちゃんの背中に手を回しながら、不思議と北山に怒りは感じなかった。
こんなに懸命に想われてたってわかってあいつも抑え効かなくなったんじゃないか?って。
・・・ダメだな、オレ。
片想いが板に付きすぎてないか?
ようやく泣き止んだAちゃんが
「藤ヶ谷さん、やっぱり私藤ヶ谷さんの気持ちには応えられない。」
・・・だよな。北山とそういう事あってすぐってのは無理に決まってるけど。
オレももう待ちきれないっていうか。
「Aちゃんはオレの事嫌い?」
「・・・嫌いな訳ないです。」
「じゃあ、付き合うのに充分な理由になると思うけど?」
「あのっ。あのね?藤ヶ谷さんわたしっ。んっっ、」
一生懸命オレを牽制しようとしてるAちゃんに構わずキスをした。
頭抱え込んで逃げられなくして
もう一方の腕で強く抱き抱える。
両手で必死にオレの肩叩いてきてたけど舌差し込んだら諦めたように抵抗を止めた。
それをいい事にそのまま押し倒したらAちゃんの肩が震えだす。
顔離したら
「お願い、藤ヶ谷さん、私、さっきまでヒロミツと・・・わかって?」
静かに泣き出したAちゃんに何してんだ?オレって。
でもここで引いたらオレ何の為に来たんだかわかんない。
「じゃあ、なおさら今オレとしてみない?」
首を懸命に横に振りながらオレの目を見つめて更に涙が溢れてるAちゃんをどうしてもオレでいっぱいにしたくて。
叶わない想いにずっと囚われてる時間を少しでも忘れさせたい。
「ダメっ藤ヶ谷さんほんとにダメだからっ、」
体をよじって逃げようとしたAちゃんの胸元をずらしてキスしようとしたら
・・・これ、北山が?
オレの動きが止まった瞬間ガバって起き上がって肩で息をしながら両手で胸元を隠した。
・・・あいつ本気でもない子にキスマークなんか付けて何考えてんだ?
いや、やっぱこの時だけは本気だったんだな。
たった今さっきまで北山とって生々しく想像が出来て
やり切れない思いで言葉が出ないでいると
「せめてこのシルシがなくなるまで私ヒロミツの事考えてたい。」
涙ながらに言われて天を仰いだ。
いつまで北山に敗北感覚えれば気が済むんだ?
嫉妬と苛立ちがふつふつと湧き上がってきて自分が抑えられそうにない。
「嫌だ」
またAちゃんを後ろから抱きしめた。
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作者名:Haru | 作成日時:2018年2月25日 21時