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あんなに触れたくて堪らなかったヒロミツが目の前にいて
無意識にヒロミツの後ろにあったソファーに押し倒すようになだれ込んだ。
フワって香るヒロミツの匂いがあの頃と違う事に胸が苦しめられる。
「・・・お願い・・・、」
お願いだから私を受け入れて。
そのままの勢いでヒロミツの唇に私の唇を押し付けようとしたら力づくで引き剥がされた。
「ダメだってA、」
ヒロミツの顔が困惑してるのがわかる。
困らせてるってわかるけどどうしても気持ち伝えたい。
「今付き合ってる人、本気なの?」
私みたいに何となくだよって嘘でも聞きたくて。
「・・・本気だよ。」
でもいとも簡単に真剣に答えられて私の涙腺は崩壊した。
「私、諦めたくない。」
「A・・・マジでオレ今の彼女大切にしたいから。」
苦しそにそう言うヒロミツに
じゃあ、それじゃあ彼女がいなかったら私の事受け入れてくれたの?って。
それくらいはまだ私の事想ってくれてた?
どうしても都合の言いように考えてたくて。
「だって。偶然また会えたんだもん。この前会えた時だってほんとはまだ好きだって言いたかった。でも言えなくて・・・私のせいで別れたんだもん。勝手なこと言えないって。でもまたこうして偶然会えた・・・。」
もう涙ながらに訴えてる。
こんなに自分をさらけ出して私何やってんの?
こんなにヒロミツを困らせて呆れさせて
・・・こんな女、懲り懲りだって思って嫌ってくれたら私も諦められるのかな?
涙でぐちゃぐちゃな顔をヒロミツが見つめてくる。
・・・もう見ないで。
こんな惨めで痛い女、ヒロミツの元カノとしても相応しくないよ。
消えちゃいたい・・・
そう思った瞬間、ヒロミツの腕が私の首に回ってきて何が起こったのか理解しようとする前に
・・・引き寄せられてキスされてた。
一瞬の出来事でいきなりヒロミツの舌が私の口の中をかき回しきて
あの頃の2人の夢中で求め合った時間が引き戻される。
当然のようにヒロミツの背中に腕を回せばもうそれからは止まらなかった。
明るいままのリビングでお互い唇を貪りあって
それだけでもう充分充たされてる。
・・・ずっとこうしたかった。
ヒロミツに求められたかったの。
唇が離れた瞬間にフワリと体が浮く。
そのまま寝室に連れてかれて優しくベットに下ろされた。
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作者名:Haru | 作成日時:2018年2月25日 21時