おひとりさまの憂鬱

９. 北山side ページ9

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一ノ瀬と飲みに行ってから三ヶ月、経ったかな。



同期入社であいつとはずっと戦友のはずだった。



だからその当時から付き合ってた大学の同級生だった梨花と結婚して今･･････




梨花と上手くいかないのは
俺が一ノ瀬を女として見だしたからか、って考えてしまう。



いや、そんなはずない、
俺はいつも通り、梨花と過ごしてるはずなのに
どうしてあいつはいつもいつも俺を疑うんだろう、




『香水の匂いする、今日遅かったのは女の人といたの？』
『休みの日まで仕事って本当なの？誰かと会うんじゃないの？』
『ねぇ、ほんとに私の事愛してる？』




毎日毎日･･･うんざりだ。




どれだけ違うと言っても愛してると言ってみても
まるで俺の話しなんて耳に入ってないみたいだ。



一ノ瀬が気になるようになったのもつい最近だ。



最近･･････離婚したって聞いてからかな。



でもだからってどうかするつもりなんてない。



俺はまだ結婚してる。まだ。



一ノ瀬は･････････あいつは仕事一筋、




なはずなんだが、一ノ瀬のチームの売上がここ半年ずっと下がりっぱなしだ。








「左遷･･････です、よね、」


「そうだ。もう一ノ瀬は無理だろ。これだけ数字出せないんじゃ本社ではやってけないよ。北山の方から伝えてくれるか。行先は大阪だしまだ温情もらってるよ、」





部長からそう言われるともう庇いようがない。



それまでできるだけフォローやアドバイスはしてきたつもり。



でもあいつ、空回ってる時あるからな･･･



一ノ瀬の仕事に対する情熱と心意気だけで
俺も活力が湧いてきてたのに。



あいつが本社からいなくなると思うと気が重い。



一ノ瀬の方が辛いんだから俺がそんなこと言ってらんないけど。



･･･俺が伝えるのか。



この会社に引き抜かれて実績を残し
今や人事にも関わるようになってしまった。



正直、俺は自分の売り上げだけ目標にガツガツ働きたいのに
組織の中に身を置く事にストレスを感じてきていた。





しかも、今回、左遷を告げる相手は一ノ瀬。





あいつはどれだけショックを受けてもきっと俺に弱味なんて見せないんだろうな。





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