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全部忠義の言う通り。
別に彼氏作らないなんて決めなくていいのに
意固地になってたとは思う。
だってもう傷つきたくない。
初めは想いを寄せ合ったとしても
結局些細なところから亀裂は生じて
そこからじわじわと二人の間に溝ができてくる。
ほら、やっぱり男なんて。
・・・・・・私なんて。って。
いちいち絶望したくない。
相手にも。
それ以上に自分にも。
私に恋愛の波風は必要なくて。
仕事が戦場なだけに
プライベートはただ、平穏に、穏やかに過ごしたい。
そう、思ってたのにな
私は、忠義といたいって思う。
体だけの関係だと割り切ったつもりにしたかったけど
会う度、心許して頑なだった自分の気持ちが解れてくのがわかってた。
そして、こんな私でも彼女にしたいと言ってくれる事が申し訳ない気持ちもあるけど、嬉しさの方が勝ってしまった。
忠義は常に肩の力が抜けていて
仕事の電話ですらゆるーくて。
それでもきっときちんとしてるんだろうけど
その柔らかい雰囲気に、私は惹かれていたし
一緒にいてものすごく癒されていた。
でも、忠義がそこまで私を想ってくれてるっていうのはなんでかわかんないな。
「・・・でも、忠義、遠距離、できる?」
「大阪やろ?俺の地元やし。別に俺大阪住んでもええし。」
「へ?ダメでしょ?仕事は?」
「必要な時は東京出張、って感じでええんちゃう?元々相手先とは電話とメールで事足りるし。うん!俺も大阪行く!遠距離とかありえへんし。だから、俺らちゃんと付き合お!」
もう答えはわかってるみたいに
忠義は嬉しそうにまた私を抱きしめた。
「・・・・・・大阪、知らない土地だし、一人は心細かったんだ。」
「ははっ、Aが心細いとかあるんや?可愛いとこあるやん。」
「っ、そりゃね?私だってなんでもできるわけじゃないよっ、」
「そやな。」
言いながら忠義は腕を解いてまた私の顔を見つめてきた。
「だから俺ら一緒にいよ?俺は絶対にAを寂しくなんてさせへん。」
「うん。・・・・・・ありがと、」
ふふって笑う忠義は
こうなるってもう最初からわかってたのかな。
案外、私達は相性がいいのかも。
気の強い私を優しく包み込んでくれる忠義。
先のことはおいといて
また取り戻したこの気持ち、大切にしよう、そう思った。
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Haru(プロフ) - ななぼーさんさん» ななぼーさん🎶ありがとうございます(т-т)次も完結目指して魅力的な作品にできるよう頑張りますね(^^)今後ともよろしくです♡ (2022年11月14日 22時) (レス) id: aded2e7013 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みんさん» 相模原人に笑ってしまったwやっぱ私、結局東大阪人か相模原人の男なのよねー(すぐ乗っかる) (2022年11月14日 22時) (レス) id: aded2e7013 (このIDを非表示/違反報告)
ななぼーさん(プロフ) - Haruさん!占ツク6年目おめでとうございます〜〜!ほんとにHaruさんの作品、大好きなものばかりで、、、♡また新作嬉しいです! (2022年11月10日 7時) (レス) @page5 id: 613beb2b91 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - Haruさん» めっちゃ喜んでるー!緩い大倉くんとデキル北山くんなんて〜男は相模原人に限るけど笑 どうなっちゃうのか楽しみです! (2022年11月9日 22時) (レス) @page5 id: 893b342f6c (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» だいぶ大人なお話だよね♡気持ちわかるでしょー??だから漫画の方もぜひ読んでいただきたいのです(なんの宣伝) (2022年11月9日 17時) (レス) id: aded2e7013 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2022年11月8日 21時