おひとりさまの憂鬱

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「あのさ、なんとなく気付いてたけど。私無理だよ。」


「なんで？」





そう、気が付いてた、忠義の気持ち。



でもまさかこんなにストレートに告白されるとは思ってなかった。






「この前離婚したじゃん。もうそういうの疲れたっていうかさ、」


「･･････だからなんで離婚したん？って聞いてるやん、」





ちょっと拗ね気味だけど
本気で聞いてるのに今度ははぐらかせない。





「･･････浮気、された。のと、色々、私が完璧主義なのに疲れたんだと思う。」




さっきはミツさんにせ っくすれすをカミングアウトできたのに
自分を女として見てる忠義にそれは言えなかった。



少しの見栄と意地だ。



私はきっと、萎えさせる女なんだ。



学生時代だってそう。
結局、言い寄られて付き合ったって
イメージと違ったとかで振られることばかりだった。



みんな私をどんな女だと思ってんのよ。






それを知られるのはかっこ悪いし
どうせ付き合うことなんてないんだし忠義の思ういい女のままでいたい。




･･････忠義だって付き合ったってどうせ私から離れてく。



そういうのが、もう疲れる。



いちいち恋して一喜一憂したくない。






「･･･完璧主義、そういうとこも好きやで、」


「よくないよ。一緒にいても疲れるよ、」


「な。おかしいやろ。俺はおまえがいいって言うてんのに。自分に原因あるみたいな言い方されても俺そんなので引かれへんし。」




あぁ、確かに。



忠義を彼氏にするのになんの問題もない。



男を感じない、なんてずっと思ってたけど
それはずっと桃ちゃん、という彼女がいたからで。



あの頃忠義がフリーなら間違いなく男として見てた。



彼女がいてもモテてたし
なんせ顔もスタイルもいい上に関西人特有のざっくばらんな性格は東京の女にはものすごく魅力的に見えるらしい。




関西の女の人のウケはわかんないけど
結局彼なら全区域全方位でモテそうだけども。



そんな忠義と再会してまさか口説かれる事になるなんて。






でも、



求められると嬉しい、



女のとしての価値
失ったと思っていたのにまた期待しちゃうじゃない。






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