ユリカの場合 ページ2
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もう無理っ、
もう、もう無理っ、
結婚して1年
耐え続けてきたけど本当に無理！
性の不一致で離婚とか･･････
どこか他人事で耳にした話が
まさか自分の前に立ちはだかることになるとは。
家を飛び出してあてもなく歩く。
友達の家まで追いかけてこられると迷惑がかかるし行けない。
お互い頭冷やした方がいいんだ。
2、3日ホテルにでも泊まろう。
都心に出てとりあえず安く泊まれそうな所をスマホで検索している自分にふと我に返って情けなくなった。
こんな夜に何してんの私。
はぁー、なんだか泣けてくる。
この歳で、ようやく結婚できて辛かった仕事も辞めて新たな生活を始める所だったのに。
どうしてこんなことに･･･、
「あれ？･･････守谷？」
今では懐かしい旧姓で呼ばれて思わず顔を上げる。
わ、北山だ。
そこには大学の同級生で数年前までよく飲みに行っていたかつての飲み仲間が突っ立っていた。
「あ、あれ？」
「なにしてんのこんな所で」
「いや･･･なに、ってわけでは･･･」
「あ、おまえそういや結婚したんだよな？式呼べよー。彼氏できた途端付き合い悪くなりやがって」
「えっ･･･と式は海外でサクっと親族だけでしたからさ、」
「あ、そうだっけ？なんか聞いたような気もしてきた」
適当だな。
まあ、こういうとこ北山っぽくてちょっと笑ってしまう。
「久しぶりだし飲みに行かね？今日金曜日だし飲んで帰りたくて誰かいねーかなって思ってたとこ･･･って、旦那持ちは今からデートとか？」
「いや、そんなんじゃ、ない、」
「気楽に誘えねーかな？今からもなんか予定あったりする？」
新婚の旦那とデートでもなく
予定なんかあるわけもなく
むしろ、このままホテル直行より断然ありがたいかも！
「飲も！北山！ぜひ！行こう！」
急に前のめりになった私にちょっとびっくりした様子だったけど
嬉しそうに「お、行こうぜ？」と微笑んだ北山と肩を並べて歩いた。
この後、久しぶりに外で飲むお酒に酔っ払って
旦那との夜の営みについての話を北山なんかにしちゃって、あとでめちゃくちゃ恥ずかしくなった。
ただ、話したことに対して、北山がどんな反応をしたとかは全部記憶が飛んでいた。
しかも気がついたらホテルのベットの隣で北山が寝ていた。
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作者名：Haru
| 作成日時：2022年6月2日 21時
