魅惑的ミルフィーユ

「恋はエゴイスティックに」北山side -Haru- ページ38

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「ぶちょー、あのっ、一昨日はお邪魔致しました！」




園田を血迷って泊めた週明け。
律儀に礼を言ってきた園田を直視出来なかった。




「あー、･･･もう迷子になんなよー、」


「ちょっ、私保護されてたんですかっ、」


「もう気にすんな。今忙しいんだ。」




仕事を理由に追っ払う。
いや、相手にしてねーぞって態度で示したつもり。



はーい、って不服そうに自席に戻る園田に
自分が普通に接することが出来ていたかはわからない。




あんな若い子に惚れそうになるなんて、どうかしてる。





泊めたのは
断りきれなかったのは
好きだった彼女に振られて寂しかったから。



抱くつもりなんて更々なくても
自分を好きだと言ってくれる女の子が傍にいると
それだけで気持ちが紛れると思ったから。



実際園田は俺に告白した後から急に女を出してきやがって
幼さの中から妙に色気を醸し出されてなんとも言えない複雑な気持ちになった。



いや、家になんか泊めたから
見なくていいとこまで見えちゃったせいだ。



俺のTシャツを着てる園田に変にドキドキして。
わけーんだよ、なんしか。



メイクを落としたそのあどけない顔ですら見ちゃいけない気がして。


そのほっぺたとか二の腕とかふくらはぎとかパンって張り詰めてて、絶対触れちゃいけない領域に思えた。





「ぶちょー！せっかくなので！一緒に寝てくれるだけでいいんでっ、」




バカなの？
なにが"せっかく"だよ。
同じベットで手出せないとか拷問でしかないわ。



････････拷問？



やばい。
ついこの前まで赤ちゃんだと思ってた園田を抱きたいと思ってる自分が後ろめたくてたまらなかった。



失恋で弱ってるからだって言い聞かせた。



付き合う気なんてない。
いや、こんな年の離れた子の人生狂わせちゃいけない。



例えまかり間違って好きになったとしても
俺は園田をどうこうしようなんて思っちゃいけない



そう思ってたんだ。








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プロジェクトメンバーにもう関わりたくないと思っていた園田を選んだ。
そこは私情を挟むとこじゃないから。



仕事は仕事。
園田にはこの経験を今後生かして欲しかったし
若いけどたまに誰もが思いつかないような提案をしたりする。



仕事は真面目で頑張るし
必要だと思ったから、メンバーに入れた。



でもどこか警戒してた。



俺の気持ちに拍車をかけそうで、怖かった。

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