魅惑的ミルフィーユ

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よくよく話を聞くと。

俺のことが好きだから、近づきたくなかったとかよくわからないことを言ってくる。

全然意味がわかんない。


でもとりあえず。

どうやら俺のことが本当に好きらしいってことはわかった。

そんで安達が過去の恋愛で辛い思いをしたのも聞いたから。

「安達のペースに合わせる」

って言ったよ。

言いました。

それは本音だけど。

ふれたい、抱きしめたい、なんならその先も、とか思っちゃうのも、本音。


あれから、ケンゼンなお付き合いが続いている俺たち。


今日は安達が俺の家でビーフシチュー作ってくれて。

一緒に食べて、俺がお皿洗って、ソファに座ってる安達の隣にむぎゅって無理矢理詰めて座る。

「こっちあいてるけど」

「近い方がいいじゃん」

むぎゅむぎゅ体重をかける。

「…重い」

「そーだよ、俺超重い男なの。あ、気持ちがね。ごめんね？」

あはって安達が笑う。

「私も重いから」

「全然軽いわ、まだまだ」

「もっと好きでもいいの？」

「当然」


目が合って、どちらからともなく唇を合わせると。

角度を変えるたびにどんどん深くなる。


「…っ、ん」


「…俺おかしいかも」

「……え、？」

安達が潤んだ目で俺を見てる。


「安達のことすごい大事にしたいんだけど」

「…う、ん」

「困ってる顔も見たくなる」

「困……」


手首を掴んで押し倒すと。


「玉森くん、ちょっと、待って」

「嫌」

「嫌って」


もっと余裕なくなるとこも見たくなる。


「私のペースに合わせるって、言ってた、よ」

「うん」


俺のことしか考えなくなるとこも見たくなる。


「本気で嫌だったらやめるけど」

「そ！そんなの」

「うん？」


「玉森くんのすること、嫌なわけない…」


俺が急に黙ったから、安達が不安そうな顔をする。


「急に破壊力抜群なこと言うのやめて」

「言ってない」

「無自覚とか一番タチ悪いやつじゃん」

俺が首筋にキスを落とすと、ぎゅって目をつぶってる。

やば、かわい。


「…嫌いにならない？」

「この後に及んでそんなこと聞いてくんの？」

「だって！もし明日の朝玉森くんががっかりしてたら。
私もう立ち直れない」

「賭けてもいいよ」

「え？」


「明日の朝、俺はもっと安達を好きになってる」


「…何賭けるの？」

「俺の人生の全て」

「……重」


だから言ったじゃん。


俺超重い男だって。



覚悟しといて、ね。

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