魅惑的ミルフィーユ

※ ページ33

「ねー、玉。アダッチーやっぱり来週の同期会欠席になってたね？」

「…へー、そうなんだ。いつもじゃん？」

「たまには来ればいいのにね？」

宮田が俺の顔をじーっと見ながら、首をかしげる。

「なんだよ」

「いや、来れば玉も嬉しいよね？」

「……俺嫌われてるし」

「え？！嫌われてないでしょ！」

「宮にはわかんないよ。お前は仲いいじゃん」

「仲悪くはないけど、アダッチーなかなか本性見せてくんないからなあ」


そんな会話を前日に宮田としていたからか。

ちょっと誘ってみようかな、って。

「来週同期会あるみたいなんだけど。
たまには安達も来たら？」

「…お酒の席、苦手だから」

やっぱり安達はすぐに目をそらす。

「そっかー」


もういい加減諦めた方がいいのかなって思う。


はああ、不毛だなー。


って思いながら、駅前のプロジェクトの会議に行ったら、今日もいい感じの耳たぶが目に入った。


「園田ちゃん、今日もむちむちして気持ちいいー」


園田ちゃんは3つ下の後輩だ。

「玉森さん、やめてください」

「園田ちゃんのケチ。いーじゃん、耳たぶなんて減らねーし」

「嫌ですよ！」

「俺の趣味なんだからな！趣味嗜好は人それぞれなんだよ！」

「開きなおらないでください！」


素直でわかりやすくて可愛い、後輩。

何がわかりやすいかって言うと。

いつも北山部長の言葉に一喜一憂してて、いつも北山部長を見てるとこ。

でもまあ俺が見る限りは、部長は園田ちゃんを赤ちゃん扱いしてるし、脈はなさそう。

俺と一緒だね。

不毛な恋してんの。


北山部長と安達が会議が終わったあと、なんだか親密な感じで話してる。

それを見ている園田ちゃん。


「･･････北山部長、見てたの？」


そう言いながら、俺も二人が気になってる。


「好きなんだよねー、園田ちゃんはぶちょーが。」

「･･･誰が見てもわかりますよね。」

「そ？園田ちゃんはみんなに可愛がられてみんなに愛想もいいからそんな皆が気付いてるわけじゃないと思うけど？」


そういうとこ、園田ちゃんのいいとこだと思うよ。


そんな会話をしながら、会議室を見ると、やっぱり何だか親密そうかつお似合いに見える、安達と北山部長。


北山部長は、男から見ても、仕事はできるし、落ち着いてて、文句なしにかっこいい。


安達がもし部長を好きなら、俺本気で諦めなきゃだめかもって思う。

※→←「恋する明日」玉森side -ニイナ-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す