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「俺のタイプはさ、なんかこういつもニコニコしててー、素直でー」

誰も聞いてないのに、武田くんが話しはじめる。

「あの子とかめっちゃタイプだわ、企画開発の、ほら
園田ちゃん」

園田さんのことを考えていたから、なんとなくドキッとする。

「宮田ー、今度園田ちゃんとの飲み会セッティングしてよー」

「だめ」

宮田くんが何か言う前に、口を挟んだのは玉森くんだった。

「はあ?何でだよ、玉ー」

「何でも。園田はだめだよ」

「何?玉まじな顔してんじゃん。あれ?もしかして」


嫌だ。


決定的なこと聞きたくない。


玉森くんが口を開くのを、遮るように。


「お似合い、だもんね。いつも仲良くて。
この間も二人で話してる時、入りづらくて」


思わず、早口で言ってた。

「安達」

玉森くんの声に、我に返る。

顔をあげたら、玉森くんはうんざりしたような顔をして私を見てた。

「…つーか、どうでもよくない?」

突き放すような言い方に、思わず下を向いた。


「安達までそんなしょーもないこと言ってくるとは思わなかった」


「ちょ、玉。言いすぎだって。
あ、ほら何か違う話しよ?」

宮田くんがとりなすように言ってくれたけど。


「…ごめん。ちょっと用事思い出したから、帰る」


私はこの場でこれ以上笑って話したりできる気がしなくて、立ち上がった。

「アダッチー待って待って」

宮田くんが慌てたように言ったけど、私は何枚か千円札を置くと、席を離れた。


「安達ってやっぱなんかノリ違くね?」


武田くんの声が追い討ちをかけるように、聞こえてきて。

私は走って居酒屋を出た。


やっぱり行くんじゃなかった。

こっそり見てるだけでいいとか言いながら、もう少しだけ近づきたい、なんて欲が出たから。

バチが当たったんだ。




駅まで少し距離があったけど、私は走ってる足を止めなかった。


止まったら、さっきの、うんざりしたような玉森くんの顔と。


『安達までそんなしょーもないこと言ってくるとは思わなかった』


冷たく響いた声を思い出してしまう。



下を向いて走ってたら、角から出てきた人に肩がぶつかってしまった。

「…すみま、せん」

「こちらこそ……って安達?」

そう言われて顔を上げると、北山部長だった。


「どした?」

「……いえ、なんでもあり…」


頭に、ぽん、って優しく手がのる。


「なんでもないわけねーだろ」


泣いてんのに、って部長に言われて。


自分が泣いてることに、気づいた。

「恋のつまずき」安達side -ニイナ-→←※



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設定タグ:北山宏光 , 玉森裕太 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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Haru(プロフ) - nayuさん» nayuちゃんいつもありがとー💓💞北玉メインとか美味しかったよねー💓💞またそれぞれで書いていくのでよろしくお願いします(^^) (2021年11月17日 17時) (レス) id: aded2e7013 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» そうなの!ひろみつさんをあえて平仮名にしたのを読み取れるmoraさんさすがー!読書感想文得意すぎっ、よっ!()お預けにしてごめんよー。ほんと、すんごいベットシーン書くつもりなのにさらっと終わったしいつもマテしてもらってごめん(笑)いつか必ずすんごいのを!!← (2021年11月17日 17時) (レス) id: aded2e7013 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» りーちゃん、いつも私達の気分を盛り上げて下さってありがとうございます💓💞またそれぞれで書いていきますが私もニイナさんのお話心待ちにして、私自身も頑張ろーって思ってます!重ね重ね、いつもありがとう😊 (2021年11月17日 16時) (レス) id: aded2e7013 (このIDを非表示/違反報告)
nayu(プロフ) - 完結おめでとうございます!お二人の作品大好きなのでこのコラボはすごく嬉しくて最高でした!やっぱり北玉最強だわー‼︎ (2021年11月15日 10時) (レス) id: 702b9a633d (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - ↓クダラナイ事書いてたら、肝心の完結おめでとうございますが文字数足りなくなりました… (2021年11月13日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Haru x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 15時

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