まえあしの恋する彼女達

※ ページ35

「晴人のやつ･･･。」


１人ポツリと悔しそうに呟いてるから私と２人きりなんて嫌だよね？って。


「今日晴人と会うつもりだったんでしょ？
私が帰るから今すぐ晴人呼び戻したら間に合うよ。」


急いで帰ろうとしたらちょっと待ってって上目遣いで静かに止められた。


「･･･まあ、いいじゃん。とりあえず飲むぞ？」


って店員さん呼んで適当に注文し始めた。


しばらくぶりなのに私の好みのお酒も食べ物も間違いなく注文してくれてるタカシに少し驚きながら


こっそりタカシを見つめてみる。


やっぱりよく見ると綺麗な顔してんだよね。


そのお肌のお手入れはいったいどうしたらそんなツルツルになるわけ？


で、その目の下のホクロ。


マジックで書いてんじゃない？ってくらいあざとい。
あのホクロがあるかないかでは全然魅力違うくない？

気付いたらホクロをガン見してる私に注文を終えたタカシが何だよ？って面白く無さそうに聞いてくる。


わわっ。見すぎたっ。。。


焦って目を逸らしてる私にはお構い無しに


「A、久々に会ったらなんか大人になってんな。」


って普通に話してくる。


「それって老けたって言いたいんでしょ？
ほんっと相変わらず失礼だよね。」


いつもの調子で返すとはぁってため息付かれた。


「･･･どうすりゃいいんだ。」


小さく呟いて頭抱えちゃってなんなの？


「タカシ？どした？」


いつものタカシの様でなんか全然違うんだけど。


私の問いかけにまたも気まずそうに顔上げて


「なんでオレ達がしばらく会って無かったか分かる？」


って。え？


「そんなの私とタカシの都合合わなかっただけでしょ？」


即答する私に、だよなって。渋い顔続行中。


「おまえがオレの事その程度にしか思ってないってのはよく知ってるよ。」

「･･･何が言いたいの？」


「･･･晴人とおまえが２人でいる所見んの辛くなったから避けてたのっ。」


「へ？」


我ながら間の抜けた返事にタカシも苦笑いだ。


「わかる？オレの言ってる意味。」


わかんない。


まさか。そんな訳ないじゃん。


他に何か理由あるの？って、考え込んでる私に


「まさか晴人がオレの気持ちに気付いてるとは思わなかったよ。」


「･･････タカシって、晴人が好きだったの？」



なんとなく、気まずいこの空気を変えたくてちょっとふざけたつもりが思っきり怒り顔で睨まれた。

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