まえあしの恋する彼女達

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「たまもりゆうたと同棲出来んの？！」


ちょっと待て。さっきから捉え方変じゃね？


たまもりゆうたにお姫様抱っことかさ。


興奮する所そこか？


オレを何だと思ってんだよ。


まあ、玉森裕太だけど。


オレ、もしかしてヤバイ子口説いちゃってる？


頭ではやめとけって思ってんのにオレは玉森ブランドを全面に押しにかかった。


「そんなにゆうたたまもりに興奮してんなら明日からでも家来てよ？」


「いや、別に興奮してへんし。」


してないんかいっ！


こいつといるとずっと突っ込んでんだけど、オレ。


「･･･でも玉ちゃんと一緒に暮らせんねやったらずっとつき合ってもいいで？」


よっしゃ！！！


だいぶ上からだけどＯＫ貰えたっ。


この達成感なかなかないわ。


言ってみるもんだな。同棲ってデカイんだな。







・








いざ一緒に暮らしてみると思った通りAはオレの生活に溶け込んで、あんなに小うるさいと感じてた関西弁も終始聞いてないと落ち着かない。


玉森ブランドに目が眩んだかと思いきや今じゃ外食に誘っても絶対着いて来てくんない徹底ぶりで一番にオレの事考えてくれてる。



結局ものすごい寂しがり屋さんだったって事らしい。


だから家ではずっとオレにベッタリで今日の出来事の報告をずっと聞かされるのが毎日のオレの日課。


もちろん家に帰れない日だってあるけどそんな時はマジで悲しそうな顔するからホテルから電話したり出来るだけ家に帰るようにしてるんだ。



最近じゃオレのコトバの方に寄って来てるからそれが可愛い。


「結局私の方が裕太の事思ってるって事やろ？くやしーっ！」


仕事に差し障るわあ、とか嘆いてる。


「また次教える男を口説いたりすんなよ？」


心配だからこれだけは言っとかなきゃ。



「そんなの裕太だから言ったのに決まってるやん。」


バカなの？ってそれオレの口ぐせ。


変なコトバばっかりマネすんだよ。子供かっ！ての。


でもなし崩し的に付き合う為に同棲を持ちかける程必死だったオレは肝心な事Aから聞いてないんだよな。


まあ、もう今更聞かなくてもわかんだけど、始まりが始まりだけにちゃんと言葉で確認したい。

と思いながら何年経ってんだよ？


「めっちゃ好きやねんって聞きたい。」


こうなりゃ無理にでも言わせたい。

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