まえあしの恋する彼女達

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今までの７年間を取り戻すように
Aとの時間を濃密なものにしたいオレはとにかく常にAに寄り添ってる。


でもいきなり態度変えられて戸惑ってるみたい。


そこも可愛いんだよな。


なんだ、オレ全然兄ちゃんなんかじゃなかったんじゃんって。


･･･でも、今日のAは特にオレと距離取ってる気がする。


近づいてもなんだかんだ理由付けて離れちゃうし。


なんか変じゃね？


また逃げようとしたAの腕掴んで引き寄せた。


ポスンとオレの胸の中に入ってきたけど･･･目も合わせてくんない。


どうも拒絶されてるみたいで違和感あってしょうがない。


「A？なんかあったの？」


「な、何にもないよ？ある訳ないじゃんっ。」


何があったんだ？


挙動不審のAの頭撫でながら脳みそフル回転させるけどさっぱりわかんない。


わかんないんだけど･･･


いつも髪の毛アップにしてるのに珍しく下ろしてるから何気なく横に流したら


「･･･なんだよこれ。」


へ？って顔したけどすぐに何かを察知したようにババってオレから離れた。


「なに？それ？」


瞬間頭に血が登って怒りが込み上げる。


「いや、コテでね？ちょっとジュってねっ？」


「サラサラストレートのAがコテなんて使ってるなんて知んないけど？」


オレにウソ付いてる時点でアウトだろ。


逃げたAをもう一度捕まえて抵抗する腕を掴んで髪の毛を描き分けて首筋を覗いた。


「どこのどいつ？」


冷静になんてなれない。


こんなあからさまにキスマーク付ける奴なんて彼氏のオレへの宣戦布告か？


困ったように狼狽えてるAを睨みつけながら


落ち着けって自分に言い聞かせるけど我慢出来そうにない。


「説明しろよ。」


どう頑張っても声が低くなる。


こんな怒ってる所、多分Aに見せた事ないはず。


観念したみたいに気まずそうに口を開いた。


「あのね？昨日会社の飲み会あってね？
なんだかいっつもよりすごく酔っ払っちゃって･･･タクシーで同期の男の子に送って貰ってたらね？」「キスでもされた訳？」


聞けば聞くほどイラついてきてんだけど。


さらに縮こまったAは首を傾げてる。


「それが、あんまり覚えてなくて･･･。」


って半泣き。


今朝首筋にアザみたいなの出来てて焦ったって。


ふざけんなよ。

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