まえあしの恋する彼女達

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途端デレってした顔したけど、

まだ不機嫌続行する気みたい。


「マジでA、オレの事誘惑した前科あんじゃん？ホイホイ付いてくなよ？」


犯罪者みたいやん、私･･･。


確かに始まりがなあ、不味かったやんなあ。


本気で期間限定で裕太とちょっとイチャつけたらなっていう軽い気持ちしかなかった私が
こうして裕太に信用して貰えへんのは仕方ない。


どうしたらわかって貰えんねやろ？


「なあ？裕太？

･･･しよ？」


こうなったらなし崩し作戦やんっ！


ちょっとピクって動いた裕太にチュってキスした。


でもなんもしてこうへん。


マッジで今回手強いねんけど！！


怒って不機嫌な裕太は可愛いけど
ここまでめんどいのは好きちゃう。


「いい加減にせな怒るで？」


「は？怒ってんのオレだし。」


「そもそも高見君とは何もないって言ってるやん？」


「これからなんかあるかもしんねえじゃん？
なんかあったらどうすんだよ？！」


「なんかあったらそん時はそん時やっ！」


あっ、売り言葉に買い言葉で言ってもたっ。


「･･･出た。Aの本性。」


本気で呆れ顔してる。


「裕太？ちゃう！今のは」「ちょっと頭冷やしてくる。」



そのまま出てってもうた。


･･････もう！なんでこんな事なんの？


そもそもあれは気の短い私に対する誘導尋問ちゃう？


裕太のバカっ。


そのままふて寝して朝を迎えたけど


目が覚めても裕太は隣りに寝てなかった。





こんな事長い付き合いで初めてで。


それ程に私は信用ないんやって悲しくなる。


気が重いまま仕事場へ行くと
事の発端の高見君、もう来てはるわ。


「おはよ。Aちゃん！」


「おはよ。高見君。」

たかみんー。頼むで。


心の中で呟きながら何の罪もない高見君に苛立ってくるし。


じっと見つめられて


「玉森とケンカしたんだろ？」


って。なんやねん？これも誘導尋問なん？


「･･･何言ってんのかわからへん。」


って誤魔化したつもりが、ぶって笑われてる。


「Aちゃんも玉森も分かりやすいわ。やっぱり付き合ってんじゃん？」


もう！どいつもこいつもめんどい。


「そうやで？高見君になんも関係ないやろ？」


「･･･そう？ちょっとは関係あると思うけど？」



あかん。どこが私の好きなタイプやねん？


こういう回りくどい人、いっちゃん嫌いや。

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