まえあしの恋する彼女達

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「ってかごめん、寝ちゃってたわ。」


そう。今日は出掛ける準備しといて？って言われてたのに家に迎えに来た瞬間ゴロンして寝ちゃったんだよ。


「･･･疲れてたんだね？」


「Aの顔見たら眠くなっちゃうんだよ、オレ。」


･･･何それ？ドキドキしてんのはやっぱり私だけだよ。



よし！行くか！って立ち上がって階段を降りる。


「おばさん、今日A帰らないかもしんないけどいい？」


って何気にお母さんに確認してる所は毎回偉いけど。


お母さんもいいわよいいわよって２つ返事。


お母さんは私の初カレである太輔に絶大なる信頼を寄せてるからね。

そりゃ小さい頃から家族ぐるみで付き合ってて太輔がいい子だってのは分かってるんだろうけど･･･


でもお母さん？太輔の事多分思い違いしてるよ？


デビュー前の太輔はそれなりに真面目だったのかもしれないけど･･･


知ってるんだ。



太輔はきっとデビューしてから


つまりは私と付き合い出してから7年の間、本気だか遊びだかはわかんないけどちょこちょこ女の人の影があるのを。


それはいいんだ。


アイドルの太輔と付き合うって決めた時からある程度は覚悟してた事だから。


だいたいベットの中でわかる。


太輔が新しい技を得意気に披露してる時。


あっ、なんか違うなって女の勘。


きっと、違う人と最近したんじゃないかな？って。


正直太輔しか知らない私でもいろいろ太輔に教え込まれてるもん。


長い付き合いになれば尚更すぐわかっちゃう。


むしろ違う女の人の所に行ってて私とまだ付き合ってるって方がすごいんだけど。


平々凡々ななんの取り柄もない私の所に、なんで太輔が小まめに会いに来てくれるのかもはや謎でしかない。


だって綺麗な女優さんといっぱい共演してるじゃん！


きっと浮気相手もさぞお美しい事でしょう。


最終的にあれだよね？


美人は３日で飽きるんだよ。きっとそう。


私なんて７年も一緒にいて飽きられる事ないんだから！すごいでしょ？ね？･････････。。。


「何ぼーっとしてんの？」


不意にハンドル抱えたまんまの太輔にのぞき込まれた。


「いや、大丈夫だよ？うん。」


可笑しそうに何それ？ってハハって笑いながら車を発進させた。

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