キミの襟足にキスがしたい

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「俺、謝らないから、この前した事。」






この前、押し倒してきた時のことだよね？




でも、私的にはそっちよりも、言いたいことある。






「それよりも黙っていなくなるとか最悪だよ、ミツ。そっち謝って。」






それよ。
私がミツがいない事にどれだけダメージを受けたのか、ミツにはわからないだろうけど。



ほら、驚いたように私の顔を見てきた。






「･･････いて、いいの？ここに。」


「･･････いてくれるの？まだ、」





まさかの反応に途端嬉しさを隠しきれない。





「いてよ！いて！三食昼寝付きだよ？･･･ってまあ、その、それしか、私にはあげられないけど･･･、」





ミツの性 欲を処理するのは無理なんだけどさ？
でもそこをわかってるのかわかってないのかミツはよっしゃ！と、ガッツポーズ。





「嬉しい！自分の部屋帰ってもさー、なんか違うんだよねー。飯も外で食っても美味くないしさ。一人だと味気ないっていうか。Aちゃんの手料理に勝るものなんてないの！」


「あ、そうか。ミツは自分の部屋に帰ったんだ？っていうか、自分の家あるんじゃん。」






家がないから放浪してると勝手に思い込んでたけど
ちゃんとした仕事を持ってて(しかもめちゃくちゃお金持ち系？)家、無いわけない。






「ん。ちょっと逃亡してたの。事務所から。でももう隠れる必要なくなったから。戻った。」


「そ、そうだったんだ。」





事情があるんだろうけど
そこに踏み込んでいいのかわからないし
仕事をしてる(しかも歌手)ミツの事なんて私には想像もつかないわけで、ちょっと知るのが怖くもある。




っていうか、そんな有名人が何ヶ月もいなくなって仕事に穴開けて大丈夫だったのかな？



失踪騒動とかでワイドショーで騒がれたりしてたんだろうか？



わかんない事だらけなんだけど
でも、私は有名人のミツじゃなくて
今、目の前にいてくれるミツがいいんだ。







「ミツー！おかえり！おかえりおかえり！！」






ぎゅーって抱きついてゆさゆさとミツを揺らしてみる。



はぁ、ミツの匂い。
なんか、前ここにいた時とはまた違う匂いなんだけど
なんだろなぁ、やっぱりミツはミツでめちゃくちゃいい匂いする。



その胸にむぎゅって顔を押し付けるとめちゃくちゃ安心する。

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