キミの襟足にキスがしたい

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ミツが出て行った。




今度こそ、本当に、帰って来ない。




荷物は、やっぱり置いてった。




ハイブランドの服と、カバンを残して。









ミツのいない部屋はやけに広くて
ミツが来る前の自分の部屋が
こんなに味気ないものだったのかと思うほど
ミツがいた時間は濃厚だった。



誰かと暮らした事なんてなかった。



それが、ただの二ヶ月足らずの事でも
他人と暮らす事が心地よく温かい日々なんだって知る事が出来た。



でも、それは、ミツだからなのかな。









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「A、今日は？今から食事どう？」







ミツがいなくなってから
私は嫌でも太輔と向き合わなければならなくなった。



何度か誘われてはいたけど
なんだかミツがいない寂しさで頭がいっぱいでそんな気分になれずずっと断ってたんだ。






「うん、･･･行こうかな、」





でも、ミツロス一ヶ月。



そろそろ現実を見なければいけない。



森さんからの視線が痛かったけどどうでも良かった。
そもそも、横取りしたのはそっちだ。






でも･･･おかげで私はミツと会えた。





太輔と付き合ってたらあのダンボールがあったってそんなに気にならなかったかもしれないし
もし開けてしまって男の子がいてもまさか家に住まわせるなんてしてなかった。





いったい私はミツとどうなりたいんだろう。
どうしてミツは最後の日、私にあんな事をしたんだろう。




答えなんか出ないけど
ただ、私はミツのあのサラサラな髪の毛を撫でくりまわしたいしミツの美味しい！って悶える顔が見たいし、一緒に体を寄せあって映画やドラマが見たいしどうでもいい話しを笑い合ってしたい。




でも、それがもう叶わないなら･･････









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「やっと二人になれた。」







目の前の、微笑んでる太輔との事、きちんとしないといけない。






「ごめん、ずっと･･･返事、出来なくて。」


「いいよ。俺が悪いんだから。でも、正直、早く彼女になって欲しい。」






わかってる。
私は今でも太輔が好きだ。




森さんと関係を持った事は許せないけど
好きなものは好きなんだよ。




彼女になって欲しいって言われるだけでやっぱりドキドキして嬉しくて。







「この後、家行っていい？」






そう言われると首を縦に振ることしか出来ないんだ。









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