キミの襟足にキスがしたい

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え･･････？と、







「太輔？」





懐かしいよ、太輔の息遣いが耳元で感じられて
その香りに包まれてると心底安心して、でもドキドキして･･･




でも･･････ちっとも幸せじゃないよ･･･、





「･･･さっきの人、新しい彼氏なのかと思った。」


「･･･違うよ、」


「もう、俺のものになんないのかってめちゃめちゃ焦った、良かった、ハトコで、」





･･･太輔のものに、もうならないよ、
なれないんだけど、でも、心のどこかで許してもいい？と自問自答したり、



でも･･･全て水に流してもう一度、なんて




何も無かったようにやり直すなんて、






「無理、だよ、太輔、」





自然と涙が零れてた。





ハッとしたように太輔は私の顔を覗き込む。





「無理･･･、太輔の事、やっぱり好きだって思うけど、でも、だって、他の女抱いた男とか



私、･･････」





いらない、



いらないんだよ、




自分の潔癖さを呪う。
いや、でもやっぱり森さんと過ちを犯した太輔が憎いよ、



1回でも、無理。
付き合って、仲良く微笑み合ってた姿だって見ちゃってるもん。尚更無理、






「･･･ごめん、でも･･･、俺も･･････無理、」





切なげな声でそう言ったかと思うと
気が付けば唇が塞がれてた。





甘く、蕩けるような太輔のキス･･･、



優しいキス
そのくせ逃げられないように頬を両手で挟まれていて･･･



本気出せば逃げられるのに
こんな事しちゃいけないって思うのに拒めない、



どんどん深くなるキスに
太輔の吐息が熱くて愛しさが蘇ってくる。



私の居場所はやっぱりここなんじゃないだろうか、とさえ考えてしまう罪なキスだ。




長い長いキスの後、私から離れた太輔は
私の頬を親指で往復させながら
「･･･やっぱり俺たち、元に戻ろ？」
と、至極当たり前のようにそう呟く。




･･･悪いのは太輔なのに。
なんでよりを戻すのが当然のように言うの。




でも、今のキスでやっぱり太輔じゃなきゃダメだって思ってる自分もいて。



でも、かと言ってこのままイエスと言うにはあまりにも許せなくて、





「･･･考えさせて。」




出る答えなんて一つなのに
ズルい返事をしたのは小さな抵抗だ。

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