キミの襟足にキスがしたい

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「どうせ別れるなら俺が浮気したって事知らずに別れる方がAの為かなって、


･･････いや、違う、カッコ悪い自分を見せたくなかったってのもあって、いや、Aを裏切ってしまった罪悪感とか、･･･森が暴走しそうなのも怖くてって全部言い訳なんだけど。」


「でも、ほんとに付き合ってんじゃん森さんと。」


「･･･腹括ったんだよ。･･･責任って言ったら違うけど、Aと別れる以上ちゃんとしなきゃな、みたいな。」


「森さんの事、少しは可愛いと思ったからそういう事になって付き合ったんだよね？」


「･･････わかんないんだ。ただ、意識ないまま気がついたらそうなってて･･･、で、付き合ってって言われて･･･、Aともう終わりだって思うとそうした方がいいかな、とか、」






わかんないのはこっちだって！
でも･･････





「森さんと、付き合ってから、･･･したんでしょ？」


「･･･っ、まあ、それは･･････、」


「結局してんじゃん！最低！！」






記憶ない1回より
そっちの方が傷付くよ！



･･････かと言って、記憶ないから許して、なんて言われて、私･･････許せた？









そっか、
どっちにしても太輔の言う通り、私達は終わってたんだ、









「ごめん、信じて貰えないかもだけど、俺は、ずっとAが好きだったし、森と･･･付き合ってからもやっぱりAが忘れられなかった、」


「･････････太輔。もう終わったことだよ、もう、いい、」







浮気一つ許せない私にこうしてバカ正直に謝ることないよ。
なんだかどっと疲れた、







「･･･ほんとに、終わった？」


「終わってるよ、太輔が今更森さんと別れようともう、･･･、」


「こうして全部話したのは、やっぱりやり直したいからなんだ。･･･都合いいのはわかってる。でも、違う子と付き合ってもよりAの良さがわかるだけだったんだよ、」







･･････何言ってんの、





違う子と付き合った男ともう一度やり直すなんて
やだよ、絶対に嫌だ、







でも目の前にこうして太輔がいると
やっぱり好きな気持ちが残ってて
･･･っていうか、忘れるの必死だったのに、






「どうして今更･･･、」




「Aちゃ〜ん！！！」





え。




泣きそうになった所で
間の抜けたミツの声が背中から聞こえて我に返った。

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