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太輔と別れて食に対する欲がなくなった。
その代わりに、元々好きだったお酒の量が格段に増えた。
良くないとわかってはいても
どうしても飲みたくて、酔いたくて堪らなかった。
酔わないと嫌な事ばかり考えてしまう。
酔うと少しは陽気になれた。
お酒ばかりの重い袋を引き摺るように持って
マンションの入口に到着する。
このマンションは就職が決まって会社近くに引っ越す事にした時に父親が買ってくれたものだ。
私が一人暮らししようと決めたタイミングの時、趣味でやっていた株が大当たりして莫大なお金が入ったらしい。
どうせ一人で暮らすなら安全で綺麗な所にしなさい、と用意してくれた、私には分不相応な高級マンション。
彼氏にも振られて友達すら失いつつある現状。
誇れるような仕事もしていない。
結婚の予定なんてあるわけもないただの寂しい三十路の女に家賃の心配のない立派な家があるのはものすごくありがたいことだった。
このまんま、この場所で私は一人で生きてくのかもしれないな・・・なんてまた感傷に浸りながらカバンから鍵を取り出すと見慣れない大きなダンボールがゴミステーションに置かれているのが目に入った。
「・・・なにこれ、」
今日はゴミの日じゃない。
しかも、可燃ごみの場所にこのダンボールは違和感があるし。
凝視していると、ドン!と大きな音と共にそのダンボールが大きく揺れたからびっくりする。
「・・・犬?」
動物が捨てられたのかもしれない。
そう思って手に持ったコンビニの袋を置いて
恐る恐る近付いてみる。
飛びかかられると危ないから
遠巻きにそろっとその箱を開けた。
・・・・・・・・・?
さっき大きな音がした割になんの反応もなく
怖々、箱の中身を覗いてみると・・・
「ひぃー!!!!!」
し、したい?!?!?!
お、男の人が、なんか血だらけで倒れてる、いや、入れられてる?
「け、け、警察に、電話しなきゃ、」
震える手でスマホを取り出して
110番しようと指を動かすんだけど動揺のあまり指先まで震えて上手くタップできない。
「うーーー、」
その時、箱の中から低い唸り声が聞こえてびくっとなる。
生きてる!
「あ、あのっ、大丈夫ですか??」
「・・・大丈夫じゃないっす、」
意外にもすぐに返事が返ってきて少しほっとした。
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みん(プロフ) - Haruさん» 移行ありがとうございます〜ミツはすでに居なくなったら寂しい人ポジには入ってきたから後は太輔をどこかへ...歌手のミツ見てみたいです(ソロ) (2021年4月8日 20時) (レス) id: 299204cd01 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» お忙しい中覗いてくれてありがとー!あやかちゃんは意外と藤北推しだしどっちに転んでもいいかしらぁ?(笑) (2021年4月7日 21時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 久しぶりにきたら、もう1話終わっててびっくり!太輔とミツどっちをとるかのせめぎ合い楽しいな(^^) (2021年4月6日 21時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ninaさん» 私もね、ほんと、とりあえずビール飲みながら頭撫でくりまわしたいんですよとりあえず(笑)玉ちゃんのモデル設定にまで思いを馳せて頂いてありがとうございます!玉ちゃんに至ってはまだまだ未定です考えます(笑)またメッセ見てくださいねー♪ (2021年4月6日 20時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» 歌ってほしいよねー(笑)期待に応えられるかわかりません!(笑) (2021年4月6日 20時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2021年2月19日 14時