ジオラマに夜を咲かせて【完結】

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「ばかやろ、んなの俺ごめんだって、」


「･･･パパには内緒にしとくから、」


「いや、わかんねーだろ？万一パパにバレたら俺首吹っ飛ぶだろ？無理無理無理無理っ、」







話しは平行線。



彩加の言い分はこうだ。



藤ヶ谷に抱かれたいが経験のなさで藤ヶ谷にがっかりされたくない。



だから、俺で経験値を上げたいから何度か抱いて欲しい、というものだ。





「そもそも、パパの依頼にそんなの含まれてねーんだよ、契約違反になんのっ、わかる？」


「だからパパには内緒だって言ってんじゃん、お願い、北山、」


「無理だよ、大人舐めんな？おまえにゃわりーけど、俺は身の破滅に繋がるような事はできねーの。つか、好きでもねーやつに抱かれるとかパパだって絶対反対するに決まってるだろ、そもそも！」



それなら彩加が自ら藤ヶ谷に抱かれたいからそういう契約にして欲しいとパパにお願いすればいい。



それから反対されるか背中を押されるかはパパ次第だし？彩加の説得次第だ。



つか、今の彩加の思惑で俺に抱かれたいとか？
俺がパパなら泣くぞ、確実に。





「･･･北山は私としたくないからそういう事言うんだ？」


「はぁ？俺は仕事ならサルだって抱くわっ、舐めんなっ？」


「サル？猿？！さると私一緒しないでよっ！ばかぁーっ！！」


「うっせーな、俺は半端な気持ちでこの仕事してねーんだよっ！彩加が問題なんじゃなくて、パパの了承なしに出来ねーっつってんの。依頼者はパパだっ、おとといきやがれっ、」


「わかったわよっ、パパに言えば良いんでしょ？いいよーだ、北山は近いうち絶対、私の事抱くことになんだかんね？覚悟しときなさいよ？」






売り言葉に買い言葉。
酔っぱらいの子供(しかも客)になにブチ切れてんだ、俺は。




わーん、って号泣しだした彩加に我に返って
わかったよ、ととりあえず優しくしてやる。



今日酒飲んだのは酔った勢いで俺としようと思ったって事か。



処 女のくせに。生意気な事しやがって。



･･･それだけ藤ヶ谷が好きって事なのか。



そんな女心、まったくわかんねーけど
まあ、パパがそんな事許すはずないし
とりあえずお嬢様のご機嫌とり失敗したなー、って頭かいてた、






場合じゃなかった。





彩加は本当に実力行使してきたんだから。

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