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サングラスをしてるから表情を読むのは難しいけど
でもAちゃんの印象はガラリと変わった。
仕事場では見えなかった恥ずかしがる素振りが垣間見える度
女子だなって改めて意識したし
一緒にはしゃいでくれるのも嬉しかった。
小さな手がずっと俺の手をぎゅっと握ってくれてて
遠慮ないその力が逆に甘えられてるようで可愛かった。
充分楽しんだし、楽しんでもらえた。
だからもしかして、このまま帰すのもありなのかと
頭をよぎったけど、一応"お仕事"はこれからだから。
「パレード見ようかと思ってたけど、もういいかな。近くのホテル取ってあんだ。そろそろ行こっか。」
"お仕事"感をできるだけ払拭するように
今までの浮かれてた気持ちの続きのように誘ってみた。
・・・・・・はずなんだけど、やっぱ俺こういうの向いてない。
彼女が一気に体を強ばらせのがわかった。
無理強いすることじゃない。
金だって返金したっていい、とすら思う。
「・・・Aちゃん、絶対緊張してんだろなって思ったからここ来たんだけど。やっぱまだ緊張してる?無理ならこのまま家まで送るけど?」
むしろそっちのが俺的にもいい思い出だけ残ってありがたい、とか虫のいいことを考えてつい口走ってしまった。
体を固くして、戸惑ったように下を向くAちゃんは
多分、この先をちゃんと望んでる。
じゃあ、"ちゃんと"しなきゃ。
「・・・・・・って。Aちゃん、すげー勇気出して電話くれたんだもんな。やめるわけねーよな?」
そうなんだろ?
顔を覗きこむようにAちゃんを見ると
決心がついたように俺の手をまた強く握ってきた。
「連れてって下さい、」
小さい声で、でもはっきりとそう言って顔を上げた。
「ん、行こう。」
怖がらせないように
彼氏になった気分でその手を引いた。
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色んな話をした。
お酒を飲みながら多分二人ともほろ酔いで
さっきの夢の国とはまた違う雰囲気だけどお互い心開いて話して。
名古屋へ帰る理由にはちょっと寂しくなったけど
親想いの優しい子なんだなって思った。
スタイリストの仕事が命、みたいに見えてたから
あっさりと足を洗う選択をしたのはやっぱりちょっと納得はいかなくて、名古屋でもやってみたら?って言ってみたけどそんなつもりはなさそうだった。
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みん(プロフ) - Haruさん» Haruさんすっきりさせてくれてありがとう〜北山くんの変化も一緒にありがとう〜 (4月27日 18時) (レス) @page30 id: 3401ba3153 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» わたしもー。即あらかじめ用意した婚姻届に記入して出しに行くわ(笑) (4月17日 18時) (レス) @page2 id: 4029dfa346 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nayuさん» ありがとー!久しぶりにハッピーエンド書いた気する(笑)最初からわざわざ読んでもらってありがとねー🎶 (4月17日 18時) (レス) @page2 id: 4029dfa346 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - すごい!ちゃんと北山さんのお仕事の変化まで!私なら結婚とか言われたら即答でOKしてその場で婚姻届に書いてもらうわ!捕まえちゃう!!! (4月16日 22時) (レス) @page30 id: 52189a8b58 (このIDを非表示/違反報告)
nayu(プロフ) - やっぱりHaruちゃんのお話大好きだわ❤️こういうハッピーエンドも大好き❤️最初から読み直したらめちゃめちゃ面白かったー!!! (4月16日 21時) (レス) @page30 id: 702b9a633d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2020年9月22日 15時