ジオラマに夜を咲かせて【完結】

間宮という女 ページ14

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「体売ってるって噂、本当ですか？」




スタイリストの間宮ちゃんが辞めるって言うから最後の挨拶をして出て行こうとすると不意に訊ねられた。



･･･冷や汗が出た。



なんでこんな一般の間宮ちゃんが俺達がやってること知ってんだ･･･って。



同じ業界にいるんだからありえないことも無い。
でも、この機密情報を間宮ちゃんレベルが知ってるってのは結構まずい状態だ、と一気に危機感が湧いた。



全力で否定すれば余計怪しまれる･･･？



テンパってた俺は
「高いよ？俺」とか冗談っぽく言うのが精一杯で
後で考えたら全否定しとけば良かったって頭を悩ませた。



すぐにマネージャーに報告する。






「･･･そろそろ金も溜まってきたしバレる前に閉めるか。」


「･･･あとどれくらいなの？」


「あと三ヶ月くらい続けたら･･･くらいの計算だが、リスクが高すぎるから。いつどこでリークされるかわかんねーだろ。信用ある客だけ今まで以上に警戒してとるか。」


「･･･新規はもうやめた方がいいな。」


「あぁ。こうなったら週刊誌に売るために来る女も出てくるかもしれないしな。」





上得意だけ受けるとなると
予算達成まで三ヶ月よりもう少しかかるかもしれない。



でも、目標が見えてきた。
あと少し。
何事もなく達成させたい。



そう思ってた矢先
間宮ちゃんから指名が来たと連絡がきてびっくりした。



「なんで受けんの？間宮ちゃん受けるメリットある？」



電話口で興奮気味にマネージャーに詰め寄る。


だっておかしいだろ、
間宮ちゃんにはなんのパイプもないはずだ。


ただの好奇心で俺を買おうとしてるような子の依頼は本来なら断る案件だから。


正直、普通の子から500万なんて取れるわけない。
VIPな客に色んなサービスをして気に入ってもらえてこそ、なのに。





「ウリやってんの知ってるって事自体やばいだろ？とりあえず相手してこれ以上広まらないように釘さしとけ。依頼してくるくらい惚れてんだろうから北山の言うことなんでも聞くだろ。」




･･････口封じの為？



なんだそれ。
そんなもん、窓口のそっちでいくらでも突っぱねろって思ったけど
ただの金欲しさもあるのかな。
それくらい資金はギリギリなのかもしれない。



でもまさか間宮ちゃんが俺を･･･？



意外すぎてしばらく頭を抱えてしまった。

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