片想いの彼〜One_sided love〜

9 藤ヶ谷side ページ9

Aちゃんが優奈ちゃんを見送る為に席を立つ。


北山と２人になってから



「この後、オレとAちゃん２人にしてもらいたいんだけどいい？」


って言ってみる。


驚いた顔してたけど、察しのいい北山はAちゃんが戻って来たらすぐ帰ってった。


北山がいなくなって困ってるAちゃんを強引に２軒目に連れてくけど、全然喋ってくんない。




「オレずっとAちゃんと話してみたかったんだよね？」



オレの発言にわかり易く引いちゃってる。




「あの、私北山さんが好きなんで困ります。」




あっさり振られちゃったけど、勝負はここからだろ？




「なんで北山なの？」


「なんで？って･･･わかんないですよ。そんなの理屈じゃないじゃないですか？」


「うん。オレも他の男が好きって言ってる女の子と仲良くなりたいって結構重症でしょ？」


「･･･確かに。自分に自信あるんですね？」


「それはAちゃんもそうじゃないの？」


「でも、自信あっても振られちゃいましたけど。」


「じゃ、オレと一緒じゃん？」


「･･･負けますね、藤ヶ谷さんには。」


「そう？じゃ、付き合ってよ？」


「そういう負けじゃないですっ。」





ははって２人で笑う。
ちょっとは打ち解けられたかな？




「私、北山さんの事まだまだ諦めませんから。」


「あいつは手強いよ？オレにしといたらいいのに。」


「･･･私も北山さんにこの女しつこいなって思われてたんですかね？」




ジト目で厳しい事言ってくる。




「可愛い女の子に口説かれて嫌な気分になる男なんていないよ。」


「藤ヶ谷さんだってわざわざ私じゃなくたって他に女の子いくらでも寄ってくるんじゃないですか？」


「オレにも選ぶ権利あるだろ？一目惚れしたの。Aちゃんに。」




えー？って疑いの眼差し。
うーん。どうするかな･･･。




「じゃあ、まずオレの事下の名前で呼んでよ？」


「･･･太輔さんですか？」


「違うよ。太輔って呼んで？」


「･･･私達の話し、聞いてたんですね？」


「なんの事？とりあえず、オレの彼女になるまで友達になろうよ。」





はあーって両手で顔覆ってる。





「私って痛いですね。北山さんに嫌われちゃったかなあ。」




本気で落ち込んでる。やりすぎたかな？




「ちょっと、それってオレが痛いみたいじゃん。傷つく事言うのやめてくんない？」




チラってこっち見て呆れ顔で笑われた。

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