片想いの彼〜One_sided love〜

33 藤ヶ谷side ページ33

「全然って？どれくらい会ってないの？」


「もう２ヶ月くらいかな･･･？」





･･･言葉出なかった。
北山ってAちゃんの事本気じゃなかったのか？



「あっ、でもっ。忙しいから会えないって最初から言われてたから。」




懸命に自分に言い聞かせてるみたいに言ってるけど･･･。


最初から言われてたってそんな都合の良い女でいいのかよ？




「北山さん･･･お元気ですか？」



申し訳なさそうに聞いてくるAちゃん。



「ああ。元気だけど･･･確かにだいぶ忙しくしてるよ。」




でも彼女と会う時間くらい作れるだろ？って言葉は飲み込んだ。





「･･･全然まだ片想いしてるみたいです。北山さんの彼女になったんだからって浮かれてたけどあんまり何も変わってないっていうか･･･。」


「電話やメールは？」


「最初の方は返してくれてたんですけど今はあんまり。」




どんどん北山に腹立ってきた。
あいついったいどういうつもりでAちゃんと付き合ってんだ？



そもそもAちゃんの他に彼女でもいたっけ？って気すらしてくる。





「･･･いつ会えるんだろ？ってドキドキしてたらいつまで経っても会えないからちょっと疲れちゃいました。」




悲しそうに笑ってる。




「･･･やめちゃえば？」




やべ。言っちゃったよ。



途端顔ぱって上げてオレの事見たけど、すく首を振った。





「そんなんじゃないんです。だってまだ始まったばっかりだからっ。」




愚痴ばっか言ってごめんなさいって謝ってくるAちゃんにオレ何言ってんだって。



ちっとも悩み相談係り全う出来てないし。
でも２人がこんな感じならそんな事言ってらんないな。



その時Aちゃんの携帯が鳴った。



ごめんなさいってメール見た瞬間のAちゃんの表情で北山なんだって。





「ごめんなさいっ。藤ヶ谷さん、私行かなきゃ。」


「･･･北山と会えるの？」





満面の笑みではいっ！って。



そそくさと帰る準備してるAちゃんを眺めながら



･･････やっぱ勝ち目なんかないよなって。



どんなに会えないって落ち込んでたってAちゃんの気持ちをあっという間にかっさらって行くのは北山なんだ。



嬉しそうに店を出るAちゃんを見送ってからでっかいため息が出た。

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