片想いの彼〜One_sided love〜

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パシャッ

パシャッ





「はい、OKです！お疲れ様でーす！」





水着姿にバスタオル羽織ってスタジオを後にする。




「今日A、あんまり乗ってなくなかった？」




マネージャーの川崎さんから注意されちゃった。



あんな水着で乗れって方がおかしくない？
あんなの、もうほとんど隠してる所ないよ。



川崎さんはいったい私をどうしたいんだろ･･･
ヌードとかいう話しが来るのも近いかも。





「川崎さん、私グラビアのお仕事減らしたいってずっとお願いしてますよね？」




新人で生意気だけど言わずにはいられない。
お芝居がやりたくてこの事務所のオーディション受けて


受かったって喜んだのも束の間、なぜか１回載った雑誌が評判良くっていつの間にかこの仕事が板についてきた。



求められる事はありがたい。



でも、この仕事を続けてたらいつまで経っても抜け出せなくなりそうで怖くなる。






「今与えられた事やりなさい。Aはグラビアで絶対成功できるんだから。」





このやり取り何回目だろ･･･



なんだかやり切れない気持ちで着替えてから楽屋の外に出ると突然話しかけられた。







「あっ！神田Aさんですよね？ファンなんです！握手して下さいっ！」


「ありがとうございます。」






曇った気持ちを抑えて出来るだけ笑顔で手を差し伸べる。



見た事あるな、この人･･･






「おいっ！二階堂こんな所でナンパしてんじゃねえっ。」





すみませんねえ、こいつ強引でしょ？って通り過ぎた人･･･





「あっ、キス マイさんですよね？」


「僕二階堂って言います。よろしくお願いしますっ！」





満面の笑みで言われた。


可愛い人だな。



さっき通り過ぎて行った人は知ってる。



北山さんでしょ？



正直後ろの４人の人はあんまり良く知らないんだけど、この人が二階堂さんね。覚えとかないと。






「神田さんて23歳でしょ？オレと同い年っ！」






やけに嬉しそうだけど･･･




同い年かあ。でもこの業界長そうだし先輩だもんね。



当たり障りないようにそうなんですね、よろしくお願いしますって立ち去ろうとしたら





「今日夜空いてない？」





サクッと誘われた。


えーと、本当にナンパなの？


こんな仕事してるとほんとに誘って来る人多くて正直うんざりしてる。



最初は断ったら失礼かなって思って行ってたんだけど
結局カラダ目当ての人ばっかりでかわして帰んの大変なんだもん。

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