猟奇的な同期 ３ 【完結】

おまけ 「猟奇的なカップル」 ページ49

ひろside









「今月の売り上げ、1位、北山くん、2位、高岡さん、」






毎月のこの売上報告いる？



ほらみろ、Aの視線が背中からでも痛い･･･



チラっとAの方に首を回すと
案の定、めちゃくちゃ怖い顔で睨まれてる。



すかさず、なにも見ていないフリをしてまた前を向く。



いやっ、俺悪くないっ、
頑張っただけっ、いつも通りっ、通常運転っ、









・









「悔しいっ、悔しい悔しい悔しい悔しいっ！！」







そして、毎月居酒屋でAの愚痴を聞くハメに。






「まあまぁ、俺、出来るからさ？おまえに落ち度はねーって、気にすんな？」





･････････なんて言えねぇ。言えるわけねぇ。




結局、彼女のAは俺と結婚が決まったからと言って
当たり前だけど仕事に妥協なんてする訳ないし
そのうちに出産育児休暇、とかの選択もしなけりゃいけない時期もやってくるんだろうけど、
そんな事まったく他人事のように出世目指して一目散、って感じ。



ちょっとは俺に頼って、仕事セーブしてくれてもいいのに、なんて、近い将来の夫としては思ったり？



んな事言おうものならきっと俺の事すげー蔑んだ目で見んだろな･･･、








やっぱり、仕事してるA、カワイクナイ、



売り上げ発表前は一人でピリピリして
俺、彼氏なのに敵対視されていちゃつかせてもくんないし。



惜しいのよ、あと少しなの。売上。
でも、しょうがねーよな、俺の方が出来るんだもん。







でも、俺にはこの愚痴聞きの仕事よりも
ワクワクしてる事があるから毎月この地獄の時間も耐えられんのよ。







コト、っと熱燗のお猪口を転がしたA、






「あー、もう、零れたじゃん、しょーがねーなぁ。」





よしよし。いい感じで泥酔してきたな。




たいして零れてもない酒をおしぼりでテーブルを拭きながらAの酩酊度を確認。




確認、オッケーでーす。





「ほら、もう帰るぞ？」




売り上げ発表の前は触れても怒られるからね。
何日かぶりにAの肩を遠慮なく抱き寄せる。




「うー、ん、ひろのばかぁ、」




はいはいー、うんうん、色っぽいから許す。

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