猟奇的な同期 ３ 【完結】

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ふとひろの顔を見ると
にやって笑ってるけど、大丈夫、って言ってるみたいに見えた。



私も胸を張れる？
ひろの彼女として。



違う、結婚相手として、もう腐ってる場合じゃないんだ。



堂々と、自信持って、仕事も恋愛もしなきゃいけない。







「うん、そう、付き合ってる。あ、でもまだ他の人には内緒にしといてね？」






勇気出して言った。
内緒にしといてとは言ったけど
きっと瞬く間に社内全体に広まるだろう。



途端、嬉しそうにひろが口元に手を当てて、ふはっと笑う。




女子社員の声にならない声に
ひろは「そういう事」と言い放って、その場を後にした。





フロアに戻ると、さっそく数人の女子社員の視線が突き刺さる。
ひろは仕事できるかなーって浮き足立ってたくせに
何食わぬ顔でいつも通りデスクに付いてる。





さ、私も仕事仕事。




デスクに付いて、パソコンに向かう。



･･････もういいかな、



ずっと私を守ってくれた
私を社内から地味子ちゃんとして目立たなくしてくれたこの伊達メガネ。



これからは、ひろの彼女、嫁ってだけで目立つんだろうし
それなら城田部長並、とは行かないけど努力して綺麗になろう。



誰にでも、私がひろの相手だと納得して貰えるように。



トレードマークだったメガネを外してメガネケースにしまう。



視界がやけに広くなった気がした。



ひろがこっちを見て、またニヤって笑うから私も笑い返した。








・







「ついにメガネ外しちゃったかぁ、」


「もうひろと付き合ってるって言っちゃったし、心機一転、わざわざ大人しくしてるのはやめて好きなスタイルにするよ。」


「本来の姿に戻るって事か。」


「って言ってもこのスタイルが長かったからどうしていいかわかんないけど。とりあえずスーツも変えて美容院にでも行ってみる。」






メガネ外した事、嫌がるかなって思ったけど
ひろはなぜか嬉しそうだ。





「もうメガネ無しでも普通に光ってんだもんな。この際どっちでもいいし。つか何が嫌ってこれから変な男に言い寄られないようにしろよ？」


「･･･ひろと結婚するって言うのに？」


「そ！まあ牽制にはなるだろうけど。飲み会とか行くんじゃねーぞ？」


「ふふっ、元々そんなに行かないしね。」


「とか言って、俺との時、飲み会帰りじゃん、マジで酒は外で飲むな、わかった？」


「･･･はーい、」





前科があるだけにいい返事をしておいた。

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