猟奇的な同期 ３ 【完結】

１３１ 北山side ページ34

・




俺の腕の中でしばらく泣いてるAをただ、優しく抱き締めてやる。



こんな華奢な体で一人で頑張ってんだ。
いっつもすげーよ、Aは。



でも、沈んだ時はこんな風に俺が傍にいてやりたい。
二人でいるってそういう事だろ？






いつの間にか泣き止んでたAが恥ずかしそうに顔を上げる。



目は真っ赤でめちゃくちゃブサイクなんだけど
こんな姿を晒してくれるのも俺にだけって思うと可愛くてしょうがない。



少し、晴れたような顔をして俺を見上げてるから
すっきりした？と聞けば、素直にうん、と言う。








のに、







「･････････城田部長の事は、なんかやだ。」






あ･･････、





「･･････ですよね、」


「なんで赴任した時に言ってくんなかったの？」


「･･･タイミング、っすかね？」


「しかも元カノとタッグ組むとかどんな気持ちなのよ？」


「あ、あのさ、それは俺も思ったぞ？しかもいきなり上司だし？でも、なんか、朱音、いや、城田部長はそんなの関係なしに俺とやりたいって思ってたみたいでさ？」






まだまだ涙が乾いてないその目でくっと見つめられて
尋問が始まるからたじろいでしまう。







「しかも、毎日毎日、一緒に飲んで帰ってたよね？どんな話するわけよ？」


「や、それはしゃーねーだろ？時間遅いしさ、お互い外食ならついでに、って感じだし？」


「ちょっと部長と部下の関係一線超えてない？･･････抱き合ってるし。」


「･･･だ、だな、あれはない。うん、反省する、いや、今した、反省。」


「今？おっそっ！！！」





まずい、可愛かったのに
可愛かったのに怒りの矛先が俺だけに、どんどんエスカレートしてきてる。






「や、待て。ほら、おまえと章ちゃんみたいなもんなんだよ、俺達、わかんだろ？おまえならっ、」


「･･････はぁ？じゃあめちゃくちゃ仲良いって事じゃん！！」


「いやっ、ちげーし？つかなんだよそれ、おまえとやっさんめちゃくちゃ仲良いわけ？」


「そーだよっ、私と章ちゃんはね、そんじょそこらの人間関係とは訳が違うのって、絆がすごいんだからねっ？一緒にしないでよっ、」


「な、一緒に、って、･･･てんめぇ･･･、」





んだよっ、彼氏俺だぞっ？
章ちゃんが特別みたいなキレ方おかしいし？




む、むかつくっ、

１３２ 北山side→←１３０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す