猟奇的な同期 ３ 【完結】

１２９ 北山side ページ32

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昔仲良くて、って説明がまずかったか。
咄嗟の事で言い訳がましくなっちまったぜ。
んでバレバレ。だっさ、



めちゃくちゃキレてるAは結局、朱音に嫉妬してて
それは仕事の件もそうなんだろうけど
明らかに俺の"元カノ"としても嫉妬してて
酔ってんのも手伝ってか心の内を全部さらけ出してくるから愛しくなっちゃうじゃん。



頑張って頑張って、ダメだったんだよな。
それでこの落ち込みよう、やさぐれよう、な訳で。
いや、半分は俺のせいで。



でも、普段のストレスや嫉妬をぶつけてくれるのは、悪くない、ってAを見てたら思っちゃう。



つい笑ったら逆鱗に触れたじゃん、
なにやってんだ、俺は。



だって、朱音の味方なんだ、とかさ？
普段仕事に関しては建設的な考え方してるAが急に子供みたいな事言うし･･･



って、俺も、まあタイミングは悪かったけどさ。




まだまだ言いたいことはあるんだろうけど
今度は押し黙ってずっと下を向いてる。



俺は、こんなプライドが高くて負けず嫌いなこいつの慰め方なんてわかんない。



だからどんな顔して今日帰ろうかって少し考えてて。
顔を合わせてみたけど案の定こんな感じだし。



優しくしても逆効果、



･･･ってことは。









「おまえさ、仕事取れなかったってしょげてるみたいだけど、そもそも朱音のせいにするとか最悪だな。」


「･･････っ、」


「自分がなんか足んなかったんじゃねーかよ？爪が甘かったんじゃないの？それを棚に上げて何ほざいてんだよ、」


「･･･う、うるさい、」


「それに？朱音が美人で完璧？んなのあたりめーじゃん、俺が選んだ女だし？それに比べておまえなんだよ、ちいせー事でぐじぐじ言いやがって、ばかじゃねーか？」


「･･････っ、」





呆気に取られて言葉を失ってる。



言い返す事も出来ないみたいで
唇を噛んで、俺の目から逃げるように下を向く。



んだよ、なに我慢してんだ、
俺、こんなひでー事言ってんだぞ？





「･･･泣けよ、わんわん声上げて泣いたらいいだろ？」


「っ、うるさいっ、ばかっ、」






もう溢れだしそうなAの潤んだ瞳。



頑張って頑張って、ダメだった悔し涙も
朱音への嫉妬も俺への悔しさも全部吐き出しちゃえよ。






「ほら、泣けばいいから」





意図せず優しい声になった。





肩を震わせるAを正面から抱きしめると同時に
俺の肩に彼女の涙が零れて冷たい程濡らしてきた。

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