猟奇的な同期 ３ 【完結】

１２７ 北山side ページ30

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「あ･･･かね？って？」






しまった･･････
こんな時になに呼び間違えてんだよ･･･






しかも、A、仕事取れなかったんだ。
やなタイミングだし。







「わり、城田部長と、ちょっと昔仲良くてさ？名前で呼んでて、」





って、今この場でどーっでもいい事説明しなきゃいけない羽目にっ、



契約取れて浮かれて飲みすぎたツケがここにぃ、






「なか、よかったんだ。」


「う、うん、」


「だから最初からひろを指名で✕✕コーポレーションの仕事を？」


「まあ、そうだ。俺の仕事っぷり買ってくれたみたいよ？」


「で、成功したら、抱き合っちゃう程仲良しなんだ？」


「あ、あれな？あれは、不可抗力だぞ？歓喜のハグだっ、」





やっぱり見られてたか。
思わず俺も抱きとめたけど。
だって、朱音がめちゃくちゃ嬉しそうだったし
･･･俺も嬉しかったし？




「城田部長、仕事出来るし、美人だし？"お友達"なら私が悪口言ったら庇うよね、ひろも。」


「いやっ、庇うっつーかな？いや、あの、城田部長は基本さっぱりしてるから。Aが言うような人じゃねーぞ？って言いたかったっつーかさ？」


「･･･あかね、でいいじゃん。なに今更城田部長、とか呼んじゃってんの。で、やっぱり"あかね"さんの味方なんだね、ひろは。」


「味方とかそんなんじゃないわっ、それにっ、名前で呼ぶとおまえだって気分よくねーだろ？
･･･っておもっ、て･･･、」





やべ。話せば話すほど墓穴掘ってんじゃん。
でもAは明らかにヤキモチ妬いてて可愛い、とか思っちゃう。危機感持てよ、自分っ、




いや、その目、怖いっす。めちゃくちゃ睨まれてる。
絶対疑ってる。
いや、どこから疑ってる？
別に俺は今さっきまで朱音と普通に打ち上げしてただけだけど、良からぬ憶測されてちゃたまんねーし、
「もうこんな茶番いいからはっきり言いなさいよ。」


「･･････ん？」





Aのただならぬ雰囲気に寝ていたスミレが起きてきて
ベランダの扉の開いた隙間から不安そうに顔を覗かせてる。



きっと今、俺そのスミレのきゅるきゅるな瞳と同じ目してるわ、自覚ある。



蛇に睨まれた蛙、です。



どう答えようか考えてると
ため息を付いたAは缶を抱えて部屋の中へ入って行ってしまった。



スミレを抱き抱えて、無言のその後ろ姿が相変わらず怖いぜ･･･。

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