猟奇的な同期 ３ 【完結】

１０８ 北山side ページ11

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疲れた。



ずっと会議室に籠って、朱音と顔を突き合せて。



そういや昨日ほとんど寝てねーなって考えたら急激に疲れが回ってきた気がする。



脳みそ使いすぎて溶けそう。




「今日はこの辺にしとこうか。」




そんな俺を気遣ってか
朱音がパソコンを閉じて一息付いた。




「やっぱりこの会社に来てよかった。宏光とならこの案件取れそうだわ。」


「･･･それなら良かった。」




もう仕事が終わったと思った途端
返事する気力もなくなってきてデスクにほっぺたをくっつけるとひんやりして気持ちいい。




「ご飯、おごるわよ。何食べたい？」


「別におごられなくてもいいっすよ。焼き鳥食いたいっす。腹減った。」


「ふふっ。好きな物は変わらないのね。」


「別に変わんねーよ。あれからそんな経ってねーし。」





朱音は、違う男が好きになったと俺と別れて良かっただろうけど、
俺はその後も結構引きずったんだよ。



好きになった"モノ"を簡単に変えらんないよ、普通は。





でも今はAがいてくれるし。




もうあいつ寝たかな？



腕時計は十時を差していて
このまま飯食って帰ったら日を跨ぐ時間だ。



携帯を取り出してみたけどあいつからのラインは入ってなくて



付き合ったって相変わらず素っ気ねーなって思ったけど
そんなAの事を考えるだけでさっさと家に帰りたくなった。




「さ、行こ。焼き鳥食お。」



そう考えると自然と体が起き上がり
帰り支度をしてる朱音の背中をせっついて会議室を出た。









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「うまーい！！」





ビールも焼き鳥も、疲れた体に染み渡る。




一人でがっついてるとなんか笑ってるし。




「口いっぱい頬張って食べるとこも変わんないね。」



可笑しそうに言われるけど。



「なんも変わってねーんだよ、俺は。変わったのはそっちじゃん？いきなり部長とかになりやがって。で？前好きになったとか言う男とは？上手くいってんのかよ？？」



やさぐれ感たっぷり。
変わらない変わらないうるせっつの。




モグモグ夢中で食ってたけど、
返事が無いことに気が付いて朱音を見る。





「･･････ん？」


「ほんとに、私が他に好きな人が出来たって思ってたんだ。」







･･････何言ってんの、こいつ。









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