猟奇的な同期 ３ 【完結】

１１５ 北山side ページ18

「見た目じゃないわよ？」




俺の頭の中を覗かれたように
さっきまでの考えを一蹴された。



「気が強い。真面目。仕事で評価されたい。プライドが高い。」


「･･････なるほど。よく見てんな。」




俺って実はそんな子がタイプなんだ、
言われると納得してしまう。



そんな子が女になって甘えてくる姿とか堪んねーもんな。
･･･だいぶ、めんどくせーとこはあるけど。





「高岡さんにとっては私みたいな上司やりにくいでしょうね。」


「･･･そんなもん？」


「だから、元カノだった、なんて口が裂けても言うんじゃないわよ？」


「なんで？そろそろ言おうかと思ってたけど。」


「･･････バカだね。正直なのがいいって訳じゃないよ？高岡さんの元彼とか知りたい？」





･･･なんなら知ってるし仲良くなっちゃったけど。




確かに、それをAに求めてるわけじゃない。





「･･････じゃあバレねーように協力しろよ？」


「わかってるわよ。仕事仲間以外、今は何も無いんだし、気付かれないよ。」


「･･････だな。」




一呼吸置いといて良かったかも。
サクッと言って、自分が楽になろうって考えてた。


知ったからって気分、よくはないわな。





「･･･ま、そのラブラブ、いつまで続くか見物だわ。」




･･･わ。
嫌味だ、確実に。



俺は大切にしてるつもりだったのに。
そう思われてなかったんだよな。



･･･Aの事も知らず知らず寂しい想い、させてしまうのかと考えると怖い。





「･･････気をつけるよ。二度と同じ失敗はしねー。」





はいはいって、あしらわれた。




まるで俺には無理だ、と言うように。




･･･まだ始まったばかり。
このまま、ずっとAを大事にすんだかんなっ。









・

１１６→←１１４ 北山side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す