猟奇的な同期 ２

５５ ページ7

・





恥ずかしい。
どうしよ？
あれって飲む物じゃなかったんだ。



･･･じゃあどうするの？
吐き出すの？
どこに？？



そっちの方が変じゃない？？




わかんない。
わかんないけど、私は章ちゃんにしかした事なかったから･･･、



それがおかしい、と北山が言うなら、



･･･章ちゃんのせいだ、多分これは。





キス･･･の方が良かったんだろうけど、
絶対キスなんかしたら変な気分になっちゃうのはわかりきってるから。




そっちの方が･･･って私、やっぱ変？？？




なんだかんだで北山とはそういう関係になっちゃってるからさほど抵抗も無く･･･っていうか、ほんとにキツそうだったし？



でも･･････




結局、キスを回避する為にしたのに
してるうちに変な気分になってしまった･･･、




はぁ。私、北山の事好きじゃないとか言いながら
北山に触れるのは、




好き、なんだ。
これはもう、そういう事だ。




だから、出来るだけ触れないようにしないと。
付き合わないって言ったばっかだしっ。







章ちゃんは知らないけど
北山は察してるみたいだ。




私は、章ちゃんと別れてから少し荒れた。



章ちゃんが私よりシンガポールを選んだのがショックだった。



別れる事は仕方ないってわかってても
選ばれなかった悔しさ。



私がシンガポールにあっさり付いてくと思われたのも心外だった。



章ちゃんじゃない男なんていらないって思ってた。



それでも、別れてしまうと章ちゃんしか知らない自分を変えたくてその日限りのいわゆるワンナイト、を何度か繰り返した。



もちろん、酔ってたのも手伝ってたけど。



でも、いくら他の人と寝ても
違う自分にはなれないんだ･･･って気付いた。



ほとんど知らない人と体を重ねた所で
章ちゃんの痕が消えてくわけじゃない。



そんな簡単な事もわからなかった私は
本当に最初から最後まで、失恋した事すらも
恋愛とはなんたるか、を章ちゃんに学んだ。



だからこんな不毛な事は止めよう、



そう思ってたのに
なぜかよりによって会社の同期の北山を誘ってしまったんだ。



同じ人と何度もキスしたり



･･･二度目があったりしたのは



章ちゃん以外には北山だけなんだ。





だからすぐ男を誘惑するような女･･･って北山に思われるのも仕方ないけど･･･




その割には何も経験を積んでない
すっからかんの私を知られるのが悔しいんだ。







・

５６→←５４ 北山side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す